本家『ヲヲヲ』
投稿者:バクシマ (40)
青髪「トイレに行く時に、オブラートに包んで『お花を摘んでくる』って隠語があるよね。あれって用を足している姿が野山で花を摘む姿に見立てたからなんだって」
黄髪「へえ、そうなんや」
青「元々は登山用語なんだって。それでさー、男の方はなんて言うか知ってる?」
黄「そもそも、それの男バージョンがあるのは知らんかったわ」
青「それがね、『雉(きじ)撃ち』って言うそうだよ。しかも便の種類によって大雉と小雉で使いわけるんだって」
黄「格好良いけど、街の中で『雉撃ち』は変やね」
青「そうだよね。でも男だけ種類分けできるのずるくない?」
黄「せやったら……大花と小花とかどお?」
青「それは安直すぎないかな?」
黄「大花と小花……『らふれしあ』と『まだつぼみ』とかは? 知らんけど」
青「いや、それはちょっと、特定企業に怒られるんじゃない?」
黄「まぁでも……どちらを摘むにせよ、摘まれんのは『くさいはな』やね」
二人はドッと笑い、それから我に返ったように、急に静かになった。
青「これは、よろしくないね」
黄「飲食店で、だいぶ下品やったね」
赤髪「……それだったらさぁ……」
今まで沈黙していた赤髪の少女が急に口を開いた。
赤「幽霊だったら……なんて言うのかなぁ」
青髪と黄髪は顔を見合わせて、それから赤髪に尋ねた。
青「幽霊ってそもそも排尿とかするのかな?」
赤「いや、トイレに行くんじゃなくってさぁ」
黄「便所やないとしたら、何しに行くんや?」
赤「それはもちろん……誰かに取り憑きに行くときよ」
青「ああ、まぁ幽霊ならそうなるかー」
黄「うーん、なかなか難しいな」
一同は思案したが、ピンとくるものが浮かんでこないようだった。
青「それについてはまた後で考えるとして、そろそろ出発しない?」
黄「あれー? どこ行くんやったー?」
青「ちょっと、今さら怖がらないでよ! この近くに、ちょうど良い心霊スポットがあるって言ったのはあなたでしょ!」
黄「はぁ……気が重い……」
こうして渋る黄髪を青髪が叱咤しつつ、三人は早々に席を立った
店の外に出ると、周囲は墨を塗ったような闇夜だった。
ハゲドウ!!(kana)
(作者)
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