本家『ヲヲヲ』
投稿者:バクシマ (40)
一方で、新規の怪談に使えないものもあったりします。
代表的なのが『ポポポ』です。
これは使えません。
帽子をかぶった背の高い女の怪異に特許がありますからね。
これね、実に見事ですよ。
『ポ』なんて本来は間抜けな印象があるのに、今では怪談好きで『ポポポ』の絶望感を知らない人はいないですからね。
『ポポポ』に新たな意味が付与されたんです。
『ポポポ』の素晴らしさを語りだしたら時間がいくらあっても足りません。
おっと話が逸れてきましたね。失礼しました。
改めて本題に立ち返りましょう。
いまだ手つかず、或いは世間にほとんど浸透しておらず、
あわよくば怪談界隈で、私が『元祖』や『本家』の権利を主張できそうな、同じカタカナ三文字はないでしょうか?
利発な皆さんなら、もう気づかれたことでしょう。
ぴったりのやつがありますよね。
そう 『ヲ』です。
『ヲヲヲ』……もう、これしかないですね。
幽霊が「ヲヲヲ」と呟いたら凄く怖いですよね。もう最恐。心胆震え上がります。
でも、どんな意味といたしましょうか。
単純に幽霊の数を表してもいいですよね。
幽霊ひとりなら「ヲ」で、三人なら「ヲヲヲ」って具合に。
ちょっと捻りが無さ過ぎますかね。
まあ、怪談を書いているうちに手頃な意味も思いつくでしょうよ。
さて、せっかく良い材料を見つけたことですし、早速これを使って怪談を拵えようじゃありませんか。
タイトルはもちろん……
『ヲヲヲ』
わたしの名前はカナ美!
ごく普通の元気な女子中学生!
ひょんなことから軽音部に入ることになってもう大変!
バンドの方針で髪の毛を染めさせられちゃったり
わたしどうなっちゃうの〜!?
で、今日は部活の軽音楽の練習で帰るのが遅くなっちゃった。
いけない いけない
髪の毛が派手な 青色 になっちゃったけど
実は家の門限が結構厳しいんだよね
急いで帰らないと。
でも田舎の暗い夜道だから怖いなあ
「ちょっと、よろしい?」
あれ? いきなり誰かに声をかけられたよ!?
カナ美「はい! なんですか?」
「ヲヲヲ……」
カナ美「へ?」
その瞬間、わたしの気は遠くなっていきました。
……とあるファミレスで三人の少女が何やら語り合っている。
しかし、周りの人達は彼女らを何やら迷惑がっている様子であった。
それは何も、この三人の髪色が実に奇怪なカラフルさで、まるで信号機のようであったこととは、どうやら関係ないようだった。
じゃあなんで煙たがられているのかというと、その原因は、この三人が興じている雑談が飲食店に相応しからぬ内容だったことにある。
では、いったいどんな話で彼女らが盛り上がっていたのかというと……
ハゲドウ!!(kana)
(作者)
「怖い」が20票に達したら本家を名乗ります。
25票→元祖
30票→発祥
35票→萌芽
40票→始原