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不思議体験

綿貫 一さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

【あの頃の怪談①】1999年
短編 2024/02/02 22:13 3,162view

例えば、俺が晩飯に何を食うか迷った時、「ココイチでカレーを食べる世界線」と「家系ラーメンを食べる世界線」は平行して存在している。
可能性の数だけ、「そうなった場合の世界」がある、ってことだ。

でさ。
もしかしたら俺はあの夜、「予言が的中した世界線」から「予言が外れた世界線」に移動したんじゃないかなって、想像してみるわけだ。

1999年7月。
あの時は、「予言が外れた世界線」と「予言が的中した世界線」との、分岐点だったんじゃないか?
「予言が的中した世界線」では、空から降ってきた恐怖の大王によって、人類は滅亡したのかもしれない。
そして、その世界線を回避した俺たちは、今こうして、ここにいる――なんてさ。

おかしいと思うかい――?
俺もそう思うよ。
でもさ。

俺以外にも、実はけっこういるんじゃないか? 
こんな記憶、こんな感覚を持っている奴。

もし、そんな奴とどこかで出会えたら、酒でも呑みながら語り合いたいな。
今となってはわからない、あの頃の怪談話を。

〈了〉

3/3
コメント(1)
  • 綿貫です。
    それでは、こんな噺を。

    2024/02/02/22:14

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