月下夜話
投稿者:竹倉 (9)
と。
「俺が目をつむる。そうすると月は見えない。でもさ、お前さんが見えているのなら、月はきちんと存在しているんじゃないのか?」
「じゃあさ、私も一緒に目をつむったらどうだろう?私達夫婦の世界には月が存在しないって事になるかも!」
このあとはさ、もう売り言葉に買い言葉だよ。
だってそうだろう?
話としては面白い。なるほど、言わんとしている事は分かる。
シュレディンガーの猫という話があるらしい。
一匹の猫を箱の中に入れる。
その箱にはひとつ仕掛けがしてあって、放射線だったか、毒ガスだったかは忘れたが、箱の中に充満させるらしい。
そうすると中の猫は当然死んでしまうことになる。
が、猫の生死はその箱の中を除いてみないと判別はできない。
つまり、猫の生死は、確認する人間がいてこそ成り立つものであるという論理。
さらに言えば、箱の中で猫が生きている世界、箱の中で猫が死んでいる世界の2つが存在しているのではないか?と。
そしてその2つの世界は、箱の中を確認したその世界に集約されるという並列世界が存在するのではないかという、トンデモ理論まで実際にあるとのこと。
学問というのは果てしないものだな。
月が存在するかどうかに関しては、世界の誰かしらが毎日月を拝んでいるからな。
月も隠れる暇もないのだろうと、かみさんに話す。
話している間にコンビニに到着した。
店内は仕事帰りのサラリーマン、部活帰りの学生、公共料金の支払い、そして酒目当ての我々のような人間で溢れかえっていた。
会計も済ませ、店の外へ出ようという段になって、またかみさんがまたおかしなことを言い出す。
「世界中のさ、世界中の人がさ、一斉に目を瞑ったら月はどうなるんだろうね?やっぱり存在してるのかなぁ?」
一足先に店外に出ていたかみさんは月光に照らされ、その輪郭を醸し出す。
コンビニ店舗の明かりにも勝るその光。
月華に映る我が妻の表情はとても可愛らしい。
すでに夜だというのに、その眩しさに俺はつい目をつむる。
……目を、開けたら、もしかすると月がなくなっているかもしれないな。
ふふ….
あれ?タイトル変わりました?
눈을 감는순간 아내분이 관측되지 못하여 사라졌다는 것인가요,,,
もともと「量子力学はオカルト?」というタイトルだったのですが、コレ読んでくだすった方から今のタイトルを頂きましたw
ああ~やっぱり。良いタイトルになりましたね。
정답입니다.
좋은 고찰이군요.
これであってるのかな?