妖怪アパートの秘密

うちは駅ビルから徒歩２５分といった街中に住んでいます。
街中だから、殺人事件とか幽霊が出るアパートとかは当然あるでしょう。
でも、まさか自分が家を建てた隣のアパートが妖怪アパートと呼ばれているとは夢にも思いませんでした。
うちの近所を頻繁に調査する人がうろついているので、不思議に思って何をみんなで調べているの？と尋ねてみました。
すると、なんとうちの隣のアパートが都市伝説になっていたのです。

なぜ、妖怪アパートか？というと、あちこちの国から亡命してきた、なんだか怪しいハッカーとか探偵のバイトをしている人とか住んでいて、狭いワンルームなのに、いろいろな人が出入りしているのです。

さらに不審なことは、以前住んでいた人といつの間にか人が入れ替わっていることです。
引っ越しはないのに、前住んでいた人は、いったいどこに消えたのだろう？と不思議に思います。

探偵がずっと妖怪アパートを監視しているのは、住んでいた住民がどうやら食べられて消されてしまったことを調べているようです。
それで、たまに私が寝ている時に、夢に幽霊がでてくるのは、もしかして隣の妖怪アパートで食べられた人の幽霊ではないのか？と思うようになりました。
毎日妖怪が夢に出てくるのは、怖いです。

でも、この秘密は、探偵やマスコミが教えてくれたので、隣にいる怖い妖怪を四六時中監視している人が、ちゃんといるんだと思うと少しは安心できます。
隣の妖怪アパートの連中は、亡命者でもすごく賢いみたいで、簡単に私のパソコンに侵入してきます。
妖怪も、賢いから、探偵に見張られていても、簡単には退治されないようです。
隣の妖怪アパートの住民が、あまりにも街で有名になったので、妖怪を訪ねて、あちこちの人が近所にやってきています。
ちょうど近所にそば屋さんがあるので、そばを食べるついでに、妖怪チェックに来ているようです。
そば屋のお客さんや探偵が早く怖い妖怪を退治してくれないかな、と願っています。