変なきりんさん
投稿者:ねこじろう (156)
そこまで言った後大葉さんは突然片手で口を押さえ眉間に皺を寄せながら俯くと、とうとう畳にとっぷして言葉を詰まらせる。
正面に正座する私は彼女の震える背中をさすりながら
「辛いのなら、もうここまでで良いんですよ」と囁く。
彼女はしばらくそうしていたが、やがて気丈に体を上げると続けた。
「襖を開けた途端に強烈な腐敗臭が鼻をつくとともに、数匹のハエが飛び出してきました。
室内はどんよりとした重々しい空気が、漂ってます。
それから視界に飛び込んできた光景を理解するのには、数秒かかりました。
でもそれが分かった時には心臓が激しく鼓動をしだし、足がガクガクと震えだしたんです。
それは薄暗い和室の片隅の方。
ちょうど仏壇の前辺りでした。
裸の男の人の背中が宙に浮いてる。
でも違いました。
その人は天井から垂れたロープに首を通し、体をだらりと預けたままゆっくり回転しています。
その下の畳は茶色く変色してました。
亡骸は随分時間を経ていたのか首だけが異様に伸びています。
しかもその胴体は黄色く変色してあちこちにどす黒い染みがあり耐え難い異臭を放っており、周りをハエたちが飛び交っています。
そして次の瞬間でした。
ドサッ
その首は途中でちぎれ、ロープの輪っかに頭部だけを残したまま干からびた黄色い胴体を畳に落としたのです。
ひっ!
私は腰から下の力が一気に抜け、小さく悲鳴をあげながらそのまま尻餅をつきました。
そしてしばらく呆然として固まっていたのですが、やがて気を取り直すと警察に電話しようと携帯を手元に持ってきた時です。
するとそれよりも先に呼び出し音が鳴り出しました。
画面を見ると愛花里の幼稚園からです。
いや〜怖かったです。
コメントありがとうございます。
─ねこじろう
面白かった。興奮しました。
コメントありがとうございます。─ねこじろう
怖かった。
最後意味分かった
コメントありがとうございます。
─ねこじろう