【慎太郎くんのいたという家】
投稿者:ねこじろう (147)
突然ドアの閉まる音が響いた。
四人は一斉に振り向く。
その後、奇妙な笑い声とともにドタバタと廊下を走るような足音が続いた。
堀江が素早く歩き書斎のドアを開き、廊下を確認する。
そして「誰もいないな」と言うと、背後の三人の顔を見た。
「ねえ、やっぱり慎太郎くんが来てるんだよ。ヤばいよ」
愛実が震えながら言うと、藤木が「いや、近所のガキがいたずらしてるんじゃないか?」と強気なことを言った。
それから四人は一階の全ての部屋を確認した後、廊下奥の左手にある階段の前に並ぶと藤木を先頭に登りだした。
ギシリギシリという踏み板の軋む音が不気味に響く。
二階も一階と同じような間取りのようで、廊下沿いにいくつかドアがある。
四人はさっきと同じように一部屋一部屋開いて確認していく。
トイレ。
殺風景な和室。
夫婦が利用していたと思われる寝室。
そして最後に残ったのが奥の部屋。
「じゃあ、開けるぞ」と言って藤木がドアノブを握ると、ゆっくり開いていく。
そして四人はアッと息を飲んだ。
いきなり鉄格子が視界を遮ったのだ。
藤木が鉄格子越しに部屋を見渡す。
正面窓際には学習机があり、右手の壁際にはベッド。
そして目を引いたのが、左手の壁を被う巨大な棚に飾られた無数のフィギュア。
藤木が呟く。
「どうやら、ここが慎太郎くんの部屋だったようだな」
「なあ、もうここまでで充分じゃないか?」
隣で倉崎がびくつきながら言うと、堀江が「ここまで来てから帰れるかよ」と言って鉄格子下部にある扉を開き、さっさと中に入っていった。
一見すると、どこにでもあるような普通の子供部屋だ。
入って左手の壁を被う棚を除いては。
四人は棚の前に並び、呆気にとられていた。
無数のアニメの女子キャラが様々なポーズで並んでいる。
「すごいな、いったい何個あるんだろ?」
怖いです ゚ ゚ ( Д )
コメントありがとうございます。
─ねこじろう
読み応えありました。
コメントありがとうございます。─ねこじろう
慎太郎くんに感情移入して読んでしまったのでなんだかもの悲しくせつない気持ちになりました。
後はご想像にお任せします。か。
怖い話のオチ考えるのは大変ではあるけど。
少なくとも何かは考えて欲しい