ある豪雨の日に出会った女
投稿者:Nilgiri (3)
「今日の日替わり何ですか?」
「特製オムライスに、からあげ。デザートもつけちゃうわよ。」
「豪華ですね。この時間まで残っているなんて珍しい。」
「こんな雨だもの。お客さんが少ないのよ。いるのは会長さんだけ。」
女将さんの言葉通り、店内を見渡すとお客は私のほかは常連の町内会長さんだけ。
もちろん、お昼時はもっと他のお客もいたのでしょうが、おそらく普段よりは少なかったのでしょう。
女将さんも、いかにも退屈していたという様子でした。
「お腹すいてるでしょ?すぐに作るからね。」
張り切ってキッチンへ向かった女将さんを見送って、カウンターに座っている町内会長さんの隣に私は座りました。
「雨すごいでしょ?今も降ってる?」
この辺りの町内の、町内会長を長年やっている70代くらいの白髪の男性なのですが、
よくこの店に入り浸っている人で、私も食堂に通ううちにすっかり知り合いになりました。
「いや、今は止んでいましたよ。
また、すぐに降り出しそうですけど。」
「そうでしょ。今日明日、線状降水帯が出るって言ってたからね。
最近は毎日雨ばっかりで嫌になっちゃうね。」
「まぁ、雨の方がタクシーにとってはありがたいんですけどね。」
聞き流してもいい天気の話題でしたが、この頃はつい雨を擁護したくなってしまいます。
「そうか、雨で儲かる人もいるんだものね。
恵みの雨って言葉もあるけど。
でもね、あんまり酷いと車も浸かっちゃうから気を付けないと。
商売道具、ダメにしちゃうよ。
昔はここの町内だって、どっぷり浸かったことがあったんだから。
あの時は、本当に大変だったよ。」
「そういえば、この辺り昔大規模な水害があったんでしたっけ?
自分は、まだその頃子どもで隣町に住んでいたので、あまり覚えていないんですよね。
自分の住んでいた辺りでは、特に被害がなかったので。」
私の言葉に会長さんは驚いた顔をしました。
「あの災害を覚えてないの?そりゃあ、酷かったんだよ。
辺り一帯、全部浸かったんだから。
女将さんは覚えているでしょ?」
キッチンの女将さんに声をかけると、
私たちの会話を聞いていたらしい女将さんが待ち構えていたように答えます。
kanaです。(旧姓kama)
「じろうの怪談朗読」拝見いたしました。素晴らしいです。もうけっこう出されているんですね。
自分もそのうちチャンネル持ちたいなぁ~と思っていたので、うらやましいです。
声に自信はないので、自分もVOICEVOXや、ずんだもんとか、考えてます。
さすがにずんだもんは厳しいか・・・。
応援しております。チャンネル登録もさせていただきます。
ボクの作品も使えそうなのがあったらどんどん使っちゃってください。では~
読みやすい。場面が浮かんで来そう。
kanaです。(旧姓kama)
なぜか書き込みが反映されませんでした。youtubeのことをあんまり書くとダメなんかな?
応援してます。見に行きます。
長文なのに飽きる事がない作品でした。
kana様へ(もし見てくださっていれば…
いつも作品を拝読させていただいております!
コメントに、チャンネル登録まで…嬉しいやらありがたいやらで、大変恐縮です。
下手の横好きで、動画にまで手を出したのですが、まだまだ試行錯誤の状態です。
私は、最近人気のずんだもんをはじめ、30人前後のキャラクターの声を無償で利用できるVOICEVOXを使って動画を作っていますが、最近は色んな音声ソフトが出ていますから、動画を始めるときは悩みますよね。
でも、毎回感服するほど引き出しの多いkana様の怪談、もし動画を作られる予定があるのであれば、とても楽しみです。
コメント、本当にありがとうございました!