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呪い・祟り

綿貫 一さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

くらやみ様
長編 2023/12/21 20:15 12,961view
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頭を乗せていた枕には、昨夜のオマジナイの針が刺さったままになっていました。

いい夢を見られました。

オマジナイの効果でしょうか。

これで今日一日、憂鬱な学校生活にも耐えられる気がします。

……

……

登校し教室に入ると、皆が僕のことをちらりと見て、またそれぞれの友人との会話に戻ります。

教室ではいつもこんな感じです。

用もないのに僕に話しかけてくる奴なんていません。

僕は自分の席に着くと、川野さんの席を見ました。

彼女はまだ来ていないようです。

毎日早めに登校する彼女にしては珍しいな、と思いました。

結局、ホームルームが始まっても彼女は来ませんでした。

先生が、今日は川野さんは病欠です、と皆に伝えました。

学校で彼女の顔を見られないのは残念でしたが、夜になればまた彼女が出てくる夢を見られるのだからいいか、と思い直しました。

どうせ現実では、顔は見れても話しかけることなどできないのですから。

……

……

夜になり、僕は昨夜と同じように、枕に針を刺したまま、オマジナイの言葉を唱えながら目をつぶりました。

――くらやみ様、くらやみ様、

――満たしてください、満たしてください、

――捧げます、捧げます、

――くらやみ様、くらやみ様、

……

……

……

目を開けると、真っ白な部屋の中にいました。

壁も、床も、天井も、一面真っ白な、壁に木製のドアだけがある、あの部屋です。

ドアの前には、川野さんがいました。

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