僕はその……、まあ、ダメな奴です。
顔も頭も悪いし、性格も暗いし。友達少ないし。
正直、中学に入れば何か変わるかなーとか、期待してたところもありました。
でもね、地元の公立中学に進めば、周りの半数は同じ小学校出身の連中なわけで……。
立場なんて変わりませんよね、やっぱり。
いや……、まあ、そんなのわかってました。
でもね。
こんな僕にも、好きな人ができたんです。
同じクラスの、川野麻衣さん。
かわいくて、頭が良くて明るくて。友達も多いです。
正直、クラスの男子の半数が彼女に好意を持ってます。
クラスの女子にも馬鹿にされてる僕に、分け隔てなく接してくれます。
素敵な人なんです。
でもね。
僕なんかじゃ、当然彼女に釣り合うわけありません。
わかりますよ、さすがに。
僕みたいな男に好きになられても、彼女も迷惑だってことくらい。
そうですよ、気持ち悪いですよどうせ。
こんな……、こんな根暗な僕に、その、好きとか言われても!
でも、好きになっちゃったんですよ!
しょうがないじゃないか!
……あ、すいません。ちょっと興奮しちゃって。
で……、ですね。
現実じゃ告白なんて無理なんで、その……、夢の中だけでもと思いまして。
「くらやみ様」って知ってます……?
そうです、オマジナイ。
好きな子が出てくる夢が見られるってやつです、はい。
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