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呪い・祟り

綿貫 一さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

ザイコウセイ
長編 2023/12/19 19:33 11,392view
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ああ、いた。

やっぱりいた。

ハルカちゃん。

僕はきみに会うために、ここまでやってきたんだよ。

今日までずっと、きみを探してた。

僕のこと、覚えてるかい?

――と言っても、この姿じゃわからないか。

いや、そもそも今のきみは目が見えないんだったね。

僕だよ。

セイジだよ。

1999年の7月のあの日、学校の屋上で、きみに告白してフラれた、青柳誠治だよ。

僕はずっと後悔していたんだ。

あの時、僕が屋上に閉じ込めたばっかりに、きみは神隠しに遭ってしまった。

黒板のメッセージを見て、きみがどこかで生きていることがわかって、なんとしても助けだそうと、僕は教師を目指したんだ。

だけど、アカネちゃんとの邂逅は、きみと再会できるかもしれないという希望――神隠しに遭った子供は、歳をとらずに生き続けるみたいだとわかったからね――と、ある欲望を僕の胸に灯らせた。

どんな欲望かって――?

この時の止まった暗闇の世界で、大人になった僕と、子供のきみと。

初恋の女の子と、いつまでも一緒に暮らせるんじゃないかっていうね。

なあに。

ここにいる連中はみんな、しょせん6年生のガキどもさ。大人である僕にかなう道理はない。

とっとと始末して、ふたりだけの明けない夜を楽しもうじゃないか!

……。

…………。

どうした、ハルカちゃん?

8/10
コメント(2)
  • 面白かった

    2023/12/19/20:20
  • なんか面白かったです。語り口が良かったです。

    2023/12/19/21:50

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