適切な処置
投稿者:ねこじろう (147)
「ところで、かの国の『将軍様』は未だ捕まえられてないようだな」
「はい、ネットの情報によりますとアメリカ軍はもう既に首都近辺にまで進攻しているみたいなんですが、未だに身柄の確保は出来てないようです」
「全く、とんでもないことをやってくれたもんだ。
初めは単なる脅しだけだったんだけどな。
本当に我が国に着弾させるとは、、、」
年配の男は深いため息をすると続ける。
「いいね、これは命令だ。
いつもの薬で適切に処置してくれ」
しばらくの沈黙の後、若い女性の思い詰めた声がした。
「……分かりました。
処置の後は午後から新しい患者を収容します」
─え!『処置』だと?ふざけるな!
俺はまだ生きてるんだぞ!
明子、どこにいるんだ!
頼む、明子に会わせてくれ!
バタン!
ドアの閉まる音が聞こえた。
……
※※※※※※※※※
カチリ、、、
数分くらい経った後に、またドアが開いた。
今度は1人のようだ。
俺の左側でまた何かゴソゴソしている。
「ごめんなさい あなたに構っている余裕も時間もないし、救わないといけない人たちがまだいっぱいいるの。
だからお願いだから分かってちょうだいね」
─あの女性の声だ。
何を言ってるんだ?
するといきなり首筋にチクリとした軽い痛みが走った。
─これは注射針だ。
間違いない注射針だ!
何かを俺の体に注入しているんだ!
ちくしょう!
俺を殺す気だな!
まだ生きてるんだぞ!
人殺し!
訴えてやる!
本当に文章がお上手で目が離せなくました。
ありがとうございます
─ねこじろう