【強行遠足事件】-女子高生 朽屋瑠子-
投稿者:kana (210)
A子・B子「あっ、先輩チーッス!!お先に失礼しマース!!」逃げる二人。
C子「あっ、あぁ・・・朽屋先輩・・・ポッ(/// ///)コンニチワ~」
「キミ、大丈夫?なんか絡まれてなかった?」朽屋は3人に絡まれていたっぽい子に声をかけた。D子はかなり太った子で、色黒で地味な感じのする子だった。
D子「あ・・・あ・・・ありがとうございます・・・ど、どうも」どもりながら話す。
C子が説明しだす「ワタクシ、1年B組の白鳥 翔子(しらとり しょうこ)と申します。朽屋先輩にお声をかけていただいき光栄です」どうやらC子、もとい白鳥は朽屋の熱烈なファンらしかった。実は朽屋 瑠子と貴澄 頼子の二人は学園内でも人気のコンビで、裏では〈クチ・キスコンビ〉などと呼ばれ、とくに下級生から慕われていた。ボーイッシュな女子が人気になるのは女子高ではよくあることらしいが・・・。
「白鳥さん?今こっちの子を囲んで何かしてた?」朽屋が聞く。
「いえ、それはその・・・これはイジメとかではなくてですね、彼女も私と同じ1年B組で、亀井 静香(かめい しずか)と申します。明日は年に一度の強行遠足の日! ワタクシたちと亀井さんは同じ班になりまして、クラス内では非公式ながら順位競争もあるものですから・・・その、亀井さんを激励していたというわけです。確かにあの二人はちょっと言葉がキツイ言い方だったかもしれませんが、これも勝ちたいと言う思いから・・・」
「ふ~ん。で、亀井さんはどうなの?言い分は?」
「た、確かに白鳥さんと私は同じ班に入ってしまいました・・・。私はこの通りとても太っていますので、明日はとても走るなんてできそうもありません。私のタイムがみんなの足を引っ張るのは確かなんです・・・だから私、明日はお休みして・・・」そこまで言って下を向いた。
「ダメだ!!」朽屋が大きな声でそれを制止する。あまりの圧に一瞬白鳥までビクッとした。
「強行遠足の目的は完走であって、スピード競争ではないでしょ?ねぇ、白鳥さん!!」
「ハイ!!そ、その通りです!! (・・・去年1位をとった人がそれ言う???)」
「ねぇ亀井さん、明日私も一緒に歩くから、絶対出てきてよね!!」
「は・・・ハイ、わかりました・・・」「出てこないと迎えに行くからね!」
それを見て頼子が注意する「ルコちゃん、それ別のパワハラやってない?」
「えっ?私が?えっ?圧かけちゃった亀井さん、白鳥さん?」
白鳥「と、とんでもございません!」
亀井「いやいやいやいや・・・ありがとうございます」
「ふぅ~よかった。じゃ、私たちはもうお友達だよ。明日は一緒に歩くからね!!」
「ハイ」
「ハイ」
・・・・・・
kamaです。朽屋瑠子シリーズ第14弾は高校時代の「強行遠足事件」です。
ジャンルを不思議体験のところに入れたので、「創作なのになんで体験なんだよ~」と思う方もいるかもしれませんので一応弁明させていただくと、朽屋瑠子シリーズは楽しめるロマンホラー要素をもちつつ、ボクの書いた怪談を解決していく役目を持っています。で、今回のお話はボクが高校時代に体験した「強行遠足2年目の死」という実体験を朽屋たちに追体験してもらって、おもしろおかしくしてもらおうと考えた企画なので、ベースはボクの体験なのでいいかな、と思ってこのジャンルにしました。みなさんもぜひ、エンタメとして気軽にお楽しみください。
実体験をベースにしたようですが、車の中に白骨を見つけたのですか?
よかったです。休み時間に読んでてあぶなく泣きそうになりました。
今回は、友情、協力、諦めない、色々な要素が盛りだくさんで面白かったです。
↑kamaです。コメントありがとうございます。楽しんでいただいてなによりです。
相棒の貴澄頼子が、高学年になるほど辛辣になって行くところも、シリーズ通して見るとおもしろいですよ。お楽しみください。