深夜のテレビショッピング
投稿者:ねこじろう (147)
深夜二時
最後のかたずけを終えた俺は、何気なくテレビのスイッチを入れた。
するといきなり騒々しいダンスミュージックをバックに、二人の男女がスタジオに現れた。
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男はハチマキにはっぴ姿で、やたらにテンションが高い。
女はバブル期を思わせる真っ赤なボディコンで、かなり化粧が濃い。
年もかなりいってそうだ。
何か見覚えがあると思ったら、名前は忘れたが、かなり昔にドラマとかに出ていた女優だ。
最近は全くテレビには現れない。
「さあ、いよいよ、本日最後の商品です!」
男が甲高い声で叫ぶと、女は
「まあ、ワクワクします。どんな商品なんでしょう?」
と、わざとらしいリアクションをする。
どうやら、テレビショッピングのようだ。
男の前にはいつの間にか台が置かれており、その上には直径三十センチくらいの怪しげな黒い筒状のものがある。
「最近、世の中は貧富の差が広がっており、格差社会ともいわれておりますよね」
「そうですね。私なんかも二十年ほど前はドラマに映画にバラエティーに引っ張りだこだったのですが、今はTVレギュラーの数はゼロ。かろうじて地元のラジオ番組のパーソナリティーや地方のイベント出演とかでなんとか生活しています」
「ですよねえ。実は僕もかつては、あなたの大ファンでした。だから今こうしてご一緒に仕事が出来ているのが奇跡のようで、本当にドキドキしております」
「まあ、お上手なんだから!」
女は嬉しそうに、男の肩を叩く。
「ただ、そんな銀幕のスターだったあなたも今は芸能界の負け組ですよね。芸能界に限らず世の中のあらゆる階層で、勝ち組負け組がはっきりと現れてきております。
そして負け組と言われている方々の一部は生活破綻し夜逃げしたり、挙句の果ては首つり自殺などをしているようです」
「まああ、怖い!首つりだなんて……」
「そこで今回ご紹介の商品がこちらです」
と言って男は台の上の黒い筒状のものを指さす。
「これは何なんですか?」
これはぜひフジテレビでやって欲しい。
なるほど、、
─ねこじろう
夢グループで脳内再生しました
ナイスですwww
─ねこじろう