俺は次の日にあの屋敷へ行く。
先ほど説明したが、今は廃墟になっていて
立派だった正門も半壊している。
岐阜地方法務局へ行き登記簿謄本を確認したが、
別の人の名前がそこに記載されていた。
A君の痕跡はここで途絶えてしまった。
別に自分の東京の私生活に何も支障はないので
正直どうでもいいのだが。
俺が納得出来ないのは、
2023年の今にネットやSNSが発達し、
都市伝説やオカルトも日々検証されて解明されている
この時代なのに、こんな事があるのだろうか?
幽霊や妖怪ではない
あの生身のニンゲンは何者なのか?
本当に「人」ならば事件性はあるか。
何故、A君の記憶が皆無いのか
集団催眠?
口裏合わせて俺に集団で嘘をついているのか?
宗教的な何かなのか?
A君は今どこにいるのか。
結局、自分が目撃したのは
自分の断片的な経験の一部なのだろう。
あの日以降、夜の山が怖い。
手前の木々は月明かりで輪郭のみ確認できるが、
その奥で見えない無数に広がる闇に恐怖してしまう。
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Aくんってだれだっけ
この話は怖かったですか?
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写真に写っているのに、A君を知らないとは不思議でたまらない