それ以降、A君とは会話をしなかった。
他の人には相談できなかったのは、
この体験が俄かに信じられなかったことあるが
A君が毎日クラスに来てたことも要因の1つだった。
そして俺は大学進学と共に岐阜を出た。
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ここまでが俺の昔の体験談。
さて、あのニンゲンの正体だが。
いまだに何かわからない。
厳密に言えば、
わからなくなってしまった。と言ったほうが正確だ。
そもそも日本の山には妖怪の類が多い。
山姥や天狗などが有名どころだろう。
実際に美濃加茂には天狗を祀っている神社もある。
ただ、あのニンゲンはその類では無い気がする。
今年の夏。
父が他界したため数年ぶりに岐阜に帰省した。
葬式には高校の友人も何人か参列してくれて、
式の後に俺は友人らと昔の話に花を咲かせた。
そして俺は友人らにA君について尋ねたのだが。
不思議なことに誰もA君の存在を知らなかった…
そんなわけないと思い
俺は卒業アルバムを手に取りクラス写真を見せた。
そこにはちゃんとA君がいた。
それでも何故か皆、A君の記憶が全く無かったのだ。
そもそもクラスの明るい存在では無く
勉強はできたが、
一人でいる事が多かった印象は確かだが、
誰一人A君の存在が記憶にない事が異常だと思った。
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写真に写っているのに、A君を知らないとは不思議でたまらない