ムシャムシャ
グチャグチャ
ムシャムシャ
グチャグチャ
地面に落ちた灰色の土砂物を頬張りながら、
俺の方を薄気味悪くそのニンゲンは笑う。
恐らく口が直角に曲がっているため、
そう見えているだけなのかもしれないが、
この世の生物とは思えなかった。
「部屋に出たらダメって言ったじゃん」
A君はニンゲンを見つめながら俺に話しかける。
「ぁぁ… うう…あ」
ニンゲンは咀嚼しながら音を発する。
「あぁ…ぃぃ…いぃよ」
その場で俺はいくつかA君に質問した。
この生物は何だ?
人間なのか?
A君は何をしているのか?
しかし俺の問いには全く答えなかった。
何もかも気味が悪かったのだが、
本当に恐ろしかったのが、
山林から感じる視線だった。
確実にいる気配がしたのだ…
月に照らされた木々の輪郭しか見えないもの
灯籠の火に微かに反射していた
無数のニンゲンの目を。
10〜15体ほど俺をジッと見ていた。
そして、俺は日が昇るまで
その視線から逃れることは出来なかった。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 38票























写真に写っているのに、A君を知らないとは不思議でたまらない