それでとうとう一人のホストにがち惚れしたようでな、ある日そのホストと痴話喧嘩のあげく殺してしまったみたいでな、
最後は自ら命を絶って火を放ったみたいなんや。
まあ当時は結構話題になった事件やったみたいやで」
男性はそこまで話すと、あんたたちも気いつけて帰りやと言い残し立ち去った。
それからSとN美は二人ベッドから離れると、棟に横付けしている車のところまで歩き乗り込んだ。
※※※※※※※※※※
ようやく帰路に付くことが出来たSは、なだらかな傾斜の山道を下りながら何度となくN美に話しかける。
だが彼女は左手のウィンドウにもたれかかったまま、黙りこんだままだった。
そして何回めかの信号待ちの時、彼はとうとう彼女の肩に手を乗せ、「なあ、いい加減何か喋れよ」と少し強く言う。
するとN美はゆっくりSの方に向き直った。
そしてその顔を見た瞬間、彼の背筋は凍りつく。
彼女は黒目のない真っ白い瞳で満面の笑みを浮かべていた。
【了】
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ねこじろうさんの作品は本当に引き込まれるし、いつも楽しみにしてます。
ありがとうございます。
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彼女は、とりつかれてしまったのか((( ;゚Д゚)))