心霊系YouTuberの没動画
投稿者:rark (32)
しばらく歩いたとき、僕はふと思います。
だいたい、こういう所に来ると、落書きの一つや二つはあるのですが、この場所には一切ない。と言うより、まだ人が使っているのではないかのように、えらく小綺麗なんです。しかも、ホコリは被っていますが、備品なども、まだ残っている。これまで連れていかれた中で、こんな妙な場所は初めてでした。
向井「なぁ。この場所、お前は何も思わねぇのか?」
僕「ああ。確かに落書きとか無いですし、なんか小綺麗ですね。」
向井「いや。ここ、結構山の中だろ?でさ、近くに鉄塔もあったけぇ。俺は電気関係の施設かと思ったわけよ。でも電気関係っぽいもんなんて全くねぇし、これじゃあただのオフィスだ。なぁ○○(僕の名前)ここはいる前、鉄塔見ただろ?」
僕「はい。なんか、真っ黒でしたね。」
向井「お前も木之本さんも原本さんも。みんなそっちに目がいってただろうが、あの鉄塔、電線が1本も伸びてなかったんだよ。もう使わなくなって、取り払うんだったら、ここの建物も使わねーはずだろ。なのに、ここは偉く小綺麗。だし、備品も残っている。」
僕「じゃあここは電気関係の施設じゃないってことですか?じゃあなんでこんなところに……」
向井「簡単だろ。喧嘩する時だって、見られたくねーから人目のないところでやる。○薬を作る奴らなんかは、匂いで警察にバレたくないから海の上で作る。だから、この場所にもそういう理由があるのかもな。」
見られたくないものがあるから人目の付かないところで……だとしたらこの建物は……
僕の中に、とある考えが浮かんだ瞬間、
ヴヴヴウウウウウぅぅぅぅー!!
アニメで見るような、空襲の時に鳴る、サイレンのような音が、さっきまで静かだった、この建物中に大音量で流れます。
僕「なに? 何?何!?」
混乱する僕をよそに、向井さんは電話をかけます。アンテナはギリ1本たっていたので、繋がったようです。
向井「木之本さん!聞こえました?」
木之本(電話)「ああ聞こえた!!こっちはてっきりお前らが変な機械かなんかをいじったのかと……」
向井「こっちもそう思ってますよ!とりあえず……はい……はい。それじゃあ入口で集合しましょう。」
と言って、向井さんは電話を切ります。
僕「向井さん!?なんなんですか?これ!」
向井「知らねーよ。とりあえず戻るぞ。」
入口前まで戻ると、 先に木之本さんチームは戻っていたようです。
原本「誰かが来た様子はないですね……」
原本さんは、捜索の前に、入口の扉に突っ張り棒をかけていたようで、誰かが扉を開けても、最悪棒は取れているはずです。
木之本「じゃあ、俺らがなんかのセンサーに引っかかったってことか?」
僕「いや……そういうのは付いてはなかったと思いますけど……」
原本「なぁ……ちょっと話割って悪いんだけど…あそこ……。」
ドキドキ、ハラハラ面白かったです。