胎内の記憶

今から語るのは、仕事先の同僚の葉山さん（仮名）から聞いた不思議な話だ。
葉山さんは社交的な性格で友達や知り合いが多いが、元々霊的な現象に興味あることで霊感の強い知り合いもそれなりにいるようだ。

以前働いていた職場で知り合った霊感の強い女性の花村さん（仮名）の話が度々話題に出てくるのだが、その花村さんはとても変わった体験の持ち主だ。

葉山「以前勤めていた職場にね、霊感が強い女の人がいたのよ」

私「色々恐怖体験とかあるんですか？」

葉山「それもあるけどね、普通ではなかなか聞かない珍しい話があるのよ」

私「例えばどんな話があるんですか？」

葉山「不思議な体験なんだけどね・・・」

葉山さんは花村さんの体験談を語り出した・・・。

花村「私、赤ん坊の頃の記憶があるの」

葉山「赤ん坊の頃の？それはどんなもの？」

花村「お母さんのおなかに居た頃の記憶なの」

葉山「胎内の記憶！？」

花村「うん、目が開けられなかったから真っ暗でね、時々誰かの話声が聞こえてくるの」

花村「最初はそれが誰か分からなかったんだけどね、今思えば両親の話声だったのよ」

葉山「どんな内容か分かったの？」

花村「うーん、話してるってことしか分からなかったよ、声が小さかったからね」

花村「そのうち急に苦しくなってきたの・・・しばらくしたら急に眩しくなってきて・・・」

葉山「この世に誕生した瞬間だったと？」

花村「そう、この世に誕生したの」

葉山「へぇぇ、不思議なことがあるもんだね、生まれる前のことを覚えてるなんて」

・・・数日後。

葉山「花村さん、そういやこの前不思議な話聞かせてくれたよね」