実録!恐怖のキャンプ!村井さん危機一髪の巻
投稿者:とくのしん (65)
「何か探し物?」
そう声をかけた瞬間、村井は凍りついた。月明りに照らされたアケミと思われた女は、頬がこけ目は窪み、まるでミイラ一歩手前みたいな不気味な女だった。その表情を見て、しまった!と思ったが、声をかけた手前いきなり逃げるのも失礼と思い
「どどどどうかしたんですか?」
村井はドモりながら質問した。女はニヤリと不気味な表情を浮かべて
「あの~このロープを木にかけたいんですけど手伝ってくれますか?」
とロープを差し出してきた。は?ロープ?何のために?
混乱する村井の頭に、肝試しの一幕で同僚が発した一言が脳裏に浮かんだ。
「ここって首つり自殺が多い場所なんでしょ」
まさか目の前の女は首つりのためにそんなお願いをしてきたのか?さすがに自殺の手伝いなんてできるわけがない。断ろうと思ったときに彼女の右手に光るものが見えた。
・・・包丁だ。
月明りに照らされ鋭く光る包丁を見たとき、まるで蛇に睨まれた蛙のように動けなくなったそうだ。
「手伝ってくれますよね?」
女は静かに村井に問いかけてきた。
「それでお前、手伝ったのかよ」
「だってよ!相手は女とはいえ包丁持っているんだぜ?」
「それは怖いですね(笑)んでどうしたのさ」
村井はさらに興奮した口調で説明を続ける。
女の狂気に満ちた大きく見開かれた目を見た瞬間、断ることなんてできないと村井は悟った。村井は受け取ったロープ片手に周囲の木々を見渡す。背丈が届く範囲にある枝に適当にロープをかけようとすると
「それじゃ折れちゃいますよ(笑)」
と笑いながら村井の背中に刃先を軽く押し当ててきた。
「う、うわ!」
「大きな声出さないでください。刺すわけないじゃないですか」
思わず声を上げた村井をあやすかのように甘い声をかけてきた。
必至にどこかいい枝はないか、この状況から一刻も早く逃れるべく村井は必至に太い枝を探した。
「あ、あそこあそこ。あれなんていいんじゃないですか?」
女が背後から腕を伸ばして指さした木には立派な枝が伸びていた。地上から3~4mはあろうか、少し高い場所だが何とか登れそうだと村井は小学生以来の木登りを始めた。下では女がニタニタと笑っている。枝にロープを括りつけようとするが、女から注文が入った。
「それじゃダメです。縛り方教えるからその通りやってください」
女の指示に従いロープを結ぶ。恐怖に手が震えたが、何とか注文通り結ぶことができた。
kamaです。大好きですこーゆー話。夏にちょうどいいタイトルだし!!好き!
オチがないのがリアル
久しぶりに「スケコマシ」という言葉を見つけました。
>kamaさん
コメントありがとうございます。
話も気に入っていただけたようでうれしいです!
話下手の友人の体験談なので、聞いたときは笑っちゃいましたが、少し脚色して怖さを増し増しにしておきました(笑)
これからもどうぞよろしくお願いします。
タヌと申します。タイトルの軽妙さと本文の薄気味悪さのミスマッチがいいですね、、、楽しく読めました。
とりあえずタイトルには「さん」付けなんですね。
怖い体験しても懲りずにまたナンパする村井本人が一番怖い。投稿者様も同感ですかね?
>タヌさん
感想ありがとうございます。
>とりあえずタイトルには「さん」付けなんですね。
敬意を込めて「さん」付けにしました。
>怖い体験しても懲りずにまたナンパする村井本人が一番怖い。投稿者様も同感ですかね?
村井さんの女性対する執着心は確かに怖いものがありますね(笑)
村井だったり村田だったり、うどんちゃん騒ぎだったり面白かった
うどんちゃん騒ぎ
村井の語りを聞いてるのではなく、過去に聞いた話をかわりに語っている設定なのに唐突に入る村井と語り部の会話
ここら辺が気になって笑いしか出てこなかった
うどんちゃん騒ぎのせいでホラーどこじゃなくなった