夏休みに田舎であったこと(加筆修正版) ※「愛なき子」前日譚
投稿者:kana (210)
長編
2023/07/02
19:35
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おばあちゃんはそれを止めさせてボクの方をまっすぐ向いて
「ユウキはおばあちゃんがちゃーんと天国に連れていくから、なーんにも心配しなくていいよ」・・・そう言ってくれました。
ボクはまたおばあちゃんに抱き着いて泣き出していました。
・・・・・・
その年の冬の寒い日、悲しい知らせが届きました。
おばあちゃんが亡くなったとの知らせです。
おばあちゃんが約束してくれた通り、それ以降ユウキがボクの前に現れることは二度とありませんでした。ボクはおばあちゃんに感謝しながら、お葬式に参列しました。
考えてみれば、ユウキにも悪いことをしました。1年間もの間、ユウキが亡くなった事実を受け止められておらず、現実逃避していたことでユウキの霊につきまとう隙を与えていたともいえるのですから。
「ありがとう、おばあちゃん。そして、さよならユウキ」
・・・・・・
大人になった今でも、たまに婆ちゃんが守ってくれている・・・
そんな風に思う時があります。
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kamaです。夏が来るまで温めておきました。「夏休みに田舎であったこと」の加筆修正版です。
こちらのお話は以前ボクが書いて大変好評をいただきました「愛なき子」というお話の前日譚とんなります。そう、こっちの話の方が先なのです。愛なき子はこのお話の主人公が社会人になってからのお話です。
・・・ではなぜこちらを後にしたかというと、おばあちゃんがこのお話で亡くなってしまうので、愛なき子より先に公開するとネタバレになってしまうからですね。
ぜひ、今作を読んだ後で、また愛なき子も読んで見てください。
世界観が広がってより楽しめるかと思います。
夏の雰囲気っていいよね。
夏はジュブナイルな感じがいいよね。
愛なき子も今回のお話もとても良かったです。
↑kamaです。コメントありがとうございます。怪談も、夏の思い出になるといいですよね。