廃墟実況ライブ

そしてようやく土間までたどり着くと、各々這う這うの体で玄関から外に飛び出した｣
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ここでSの話は終わったのだが、最後に彼はこう付け加えた。

｢今から思うと、あの時あそこの天井にいた女は、行方不明になっていた妹さんではなかったかと思う。

そして他の連中には言わなかったのだが、あの時確かに私は見た。

それは、こちらを向いたあの恐ろしい女の背後の薄暗いところ。

そこに、
全身が金色の毛で被われ見事な角を生やした、『人』の顔をした鹿が立っていたのを。｣

【了】