顔に見えるんだよ
投稿者:rark (33)
「顔に見えるんだよ」
皆さんは子供の頃。天井のシミとか、壁の模様とか、そういうものが自然と顔に見えてきて、それを怖がっていた。
なんて経験がある人もいるのではないでしょうか?
「顔に見えるんだよ」
高校1年生の夏。僕は友人のDから学校で、こんな相談を受けました。
当然、僕は意味がわからず、キョトンとしていたですが、Dは話を続けます。
「いやぁさ。天井のシミとか、
シーツのシワとかさ。たまに顔に見えるやつ。最近そういうのが多いけん。君悪くってさ。」
Dの話によると、初めは枕カバーのシワが、人の顔に見えたそうです。当然、そんなものは気に。しないDでしたが、それを皮切りに、天井のシミや、壁の模様。
そういったものが顔に見えてくるようになったとの事。
ここまでは、Dは気にしていなかったらしいのですが、
ここからDが気にするようになったようです。
初めは、少し顔に見える。ってことが多かっただけのようですが、
その顔に見えていたようなシワや
シミ、模様は、段々と人の顔の形に近づいて行ったそうです。そしてその顔は、決まって苦しそうな顔が浮かび上がって来る。
ですが、当然。そんな話まともに受け止めるはずもなく、
「お前、気にしすぎだって。いい年して何言ってんだよ(笑)」
と、Dに言ったのですが、僕の話なんて何も聞いていないかのように、窓の外を凝視しているんです。
D「顔が見える。」
自「は?」
D「だから、顔が見えるんだよ」
あまりにもDが訴えるので、窓の外を覗いて見たんです。しかし、僕の目に見えるのは、いつも見る風景ばかり。顔なんてどこにもありません
「なんもねーぞ。まぁ気にしすぎだって。な?」
Dはどこか腑に落ちない顔をしていましたが、その日はそこで友人と別れました。
それから数日後。
「ピリリリリ」
夜中の12時。僕は携帯の通知音に起こされ、覚めました。
携帯を見るとDと表示されています。
「ンだよ。こんな夜中に。」
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