取り憑かれた電車運転士
投稿者:ねこじろう (147)
仕事を辞めて今日で一週間が過ぎた。
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家からは一歩も外に出ていない。
というか出れないんだ。
アパート室内の全てのドアというドアそしてカーテンを閉め、暗闇の中6帖1間の部屋の隅っこで体育座りをして、日がな1日過ごしている俺。
すると、
ガタッ
右側からいきなり聞こえた物音に驚き、慌ててそちらへ視線を移す。
閉めきったカーテンの隙間から、女の怯えた白い顔が見え隠れしている。
「ひっ!」
一瞬で全身が凍りついた。
恐ろしくてたまらず目をそらし、再び見た時には女の姿はなかった。
どうしてこんな風になったんだろう?
思い返したら、それは一月前にさかのぼる。
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俺は、とある私鉄沿線の電車運転士をしていた。
元々鉄道が大好きで、高校卒業後、迷わず地元の鉄道会社に就職したんだ。
憧れの職業だったから、毎日懸命に働いたよ。
そして8年目にして、電車運転士になれたんだ。
責任のある大変な仕事だったけど、休まず頑張ってきたよ。
ただそれも一月前の4月頭のある日までだった。
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その日は朝から弱い雨が降ったり止んだりを繰り返していたじめじめとした天気だったな。
確かラッシュ時も過ぎた午後6時頃のことだ。
俺はいつもの如く電車先頭の運転室に座ると、S駅を出発した。
次のH駅までは約8分。
目前の広い窓を覆う漆黒の闇を電車の強烈なライトが引き裂いていく。
光の中を次々左右に流れ行く景色に意識を集中しながら、俺は慎重に運転操作をしていた。
やがて最初の緩やかなカーブを過ぎると、通過駅であるM駅がポツンと視界に入ってきた。
俺は少し速度を落とすと同時に時計に目をやる。
とても、とても怖かった!
精神的に追い詰められると全てを終わらせてしまうにでしょうか。
⬆️
⬆️怖がっていただき、光栄です。
⬆️そうですね。
それくらい、主は追い詰められていたのでしょう。
以上、ねこじろうより
でも自ら電車に飛び込んだ挙げ句に運転士につきまとうのが許さない。
⬆️なるほど、確かに理不尽ですね
─ねこじろうより
最初のワンピースの女性も、そういうのに憑かれて耐えきれず、、、そして負の連鎖って雰囲気を感じました。不条理怨念系好きです!