大雨の留守番
投稿者:白と黒の旅人 (33)
退院後、箱はなんだったのか聞くと「あぁ、あれ?昔封じたヤツ。」と先代さん。
「え?封じたって……?」
「呪霊というか、妖魔というかそんなものよ。あの中、人の一部が入ってるのよ。」
なんとまぁおぞましいものを持たせてくれたものだ。
「それっと置持ち出して大丈夫だったんですか…?」と聞くと
「それに関しては問題いらん。ワシよりもっと高名な人がしっかり封じて置いてくれたからの。この地にあるのは元々アレらがこの地に縁あるものだったからじゃ。とはいってもウチの神様に負けるほど強くもないからの。とりあえず鳥居の前にいたアレへの見せしめとしておまえに持たせた。」
つまり「お前もこいつらみたいになりたくなかったらどっか行け」ということをしていたらしい。
「それじゃ、祓ったとかでは無いんですか?」と聞くと「アレを祓うのは言っちゃアレだが田舎の土着信仰に留まる神様に仕えてる神主じゃ難しいじゃろう。宗教どうのこうの関係なく協力すれば可能かもな。しかしあの場いた神様はウチの神様おひとりのみ。仏様と協力出来る状態じゃ無かったからな。せいぜいこの地から追い払うのが関の山じゃったよ。」
つまり今は私の地元から追い払っただけで戻ってくるかもしれないし、どこかに行った先でまた悪さをするかもしれない、ということだ。
「本当に、嫌な世の中になったもんじゃ。昔より厄介なヤツが増えとる。これも時代なのかのぉ……」
最近あまりいいニュースを聞かないのもこーいったことがあるからだろうか。
嫌な世の中になったと言っていた先代さんはその後、孫を高い高いしていたら腰を言わせて寝込んでいた。
こういう怖い話好きすぎる
神主一家に纏わる怖い話の投稿ありがとうございます。
御要望ありましたので神主一家さんとガッツリ関わった時のお話投稿いたしました。By投稿者
情景を想像しそうなほどハラハラした。面白い。