ストーカーはいつも近くにいる【partⅡ】
投稿者:ねこじろう (147)
その日妹は夕方から用事があるので少し遅れるかもしれないが、彼氏はいるはずだから部屋に入って待っていて欲しいということだった。
そこは私鉄沿線沿いにある3階建てアパートの2階。
薄暗い渡り廊下途中で立ち止まり、入口ドア横の呼び鈴を押す。
─ピンポーン、、、
しばらくするとガチャりと鍵を開ける音が聞こえ、静かにドアが開いた。
隙間から妹の彼氏の顔がのぞく。
「こんばんは。
あの、妹がいつもお世話に…」
突然色白で吊目の男の顔が現れたので、私はドギマギしながら頭をさげる。
「ああ、お姉さんですね、はじめまして。
僕今、妹さんとお付き合いさせてもらってる上條弘毅と言います。あいつ、もうちょっとしたら帰ってくると思うので、どうぞ中で待ってて下さい」
上條は爽やかに微笑みながらドアを大きく開いた。
私は奥の居間のソファに座りテレビを見ながら、妹の帰りを待っていた。
しばらくすると煮魚の良い香りと包丁の音がしだしたので振り向いて見ると、上條は奥のキッチンでなにやら料理の最中のようだ。
「あの、、どうぞ、お構い無く!」
私は上條の背中に声をかける。
すると彼は肩越しにこちらを見ながら、
「いやいや、どうせ今晩は僕が晩御飯作るつもりだったし、しかも今日はお姉さんがわざわざいらっしゃるということを聞いていたので、いつも以上に張り切って作ってますよ」と言ってニッコリ微笑んだ。
私が恐縮しながら「どうもすみません」と頭を下げると、上條はテキパキ料理の段取りをしながら、
「なんだか、あいつ最近会社が忙しいようで、まともに晩飯食ってないみたいでね。
たまには良いもの食わせてやろうという気持ちもあって、今晩は奮発して金目鯛の煮付けをね」と言って嬉しそうに笑う。
私は、いそいそと料理をする上條の広い背中を眺めながら、
─妹の今度の彼氏、良い人そうで本当に良かった。
と独り微笑むと、ソファーにゆったり身を任せ瞳を閉じた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
するとラインの着信を伝えるチャイムが鳴る。
私は慌てて傍らのバッグから携帯を出した。
妹からだ。
そしてディスプレイに並ぶ文字を読み終えた途端に「え!?」と目を疑い、もう一度改めて読んだ後、
一瞬で背筋が凍りついた。
気持ち悪いです。
怖すぎます
こわいてすね。
創作だと思いたい…
kamaです。続きが気になりますね~、スリラーサスペンス!!
↑kama様
いつもコメントありがとうございます。
ねこじろうより
なんで妹は「彼氏は部屋にいるはず」って言ったんだろう
実話、?
妹は初め先にアパートにいる彼氏に姉の応対をさせようと思っていたのだが、用事が早く終わったので彼氏と一緒に出掛けました。
だから後から姉に、すぐ帰るから玄関前で待っていてとラインを入れたのです。
─ねこじろうより