時給五万円のバイト
投稿者:ねこじろう (147)
俺は変なセリフだなと思いながらも小声で数回その言葉を繰り返すと、「はい」と返事をした。
その後しばらく沈黙が続いた後、
スピーカーからはブツブツという電気的な信号音が聞こえたかと思うと、唐突に若い男の落ち着きのない甲高い声が聞こえてきた。
「ねぇ、ねぇ、あのう、この人は?この人?」
俺は訳が分からなかったがすぐ言われた通り、
「汝の心のままに」と、できるだけ威厳に満ちた声で答える。
するとしばらくして、
「ねぇ、ねぇ、じゃあさ、あのう、この人は?」
俺はまた、
「汝の心のままに」
と、はっきり答えた。
するとまた、
「ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、じゃあさ、、、」
と同じようなセリフが続いていく。
結局それは6回も続いた。
その間空耳かもしれないが、呻き声とも泣き声ともとれるような声が聞こえたような気がした。
やがて奇妙な男の声がしなくなったかと思うと、再び寺地の感情のない声がする。
「相原さん、ありがとうございます。
以上で、お仕事は終了です。
それではお手数ですが、またアイマスクを付けていただけますか?」
俺は何がなんだか分からずに一気に脱力すると、言われる通りまたアイマスクを付けた。
しばらくすると鍵の開く音がしてドアが開くと、
「ご苦労様です。さあ、どうぞこちらへ」と言う寺地の声がして、俺は彼にエスコートされながら、
部屋を出た。
その後は初めと同じルートでまた車に乗せられ、最後は待ち合わせ場所の駅西口で降ろされた。
アイマスクを外すと、目の前の寺地は丁重に礼をして、
「今日は本当にありがとうございます。
これは、ほんの謝礼です。お受け取りください」
と言って、茶封筒を渡してくれた。
暗い路地で立ち止まり中身を確認すると、驚くことに中には本当に一万円札が5枚入っていた。
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本当の話なら事件だよね。
最後のニュース報道は無い方がより不気味で良かったな。
話に引き込まれた。けど後半、リアリティを出す為の報道だったのかもだけど、アナウンサーが現実では言わないような細かな事まで伝え過ぎてて逆にリアリティ欠如してしまったのが残念。。
途中までめちゃくちゃよかった。
ラストで一気に作り話感が増した
ネコジロウはねこが名字なんですか?
ね が名字なんですか?
↑
「ねこじろ」が名字で、
「う」が名前です(笑)
From ねこじろう
こんなバイト、やりたーい!