時給五万円のバイト
投稿者:ねこじろう (147)
怪訝な顔をする俺に彼は、
「いや、お聞きになっていると思うのですが、
今回のこの仕事は依頼者からのご希望で完全極秘になっておりまして、ですから今から向かう場所も秘密なんです。」
と言って、申し訳なさげな顔をした。
一言言おうと思ったのだが俺の脳内には万札が五枚ちらついており、素直にアイマスクを付ける。
それと同時に、車は動きだした。
道中、寺地という男から、今回のバイトの簡単な説明を受けた。
まず第一に、
今回のこのバイトは絶対に極秘だということ。
第二に、
現地に到着したらアイマスクは外すが、絶対に大きな声は出さないこと。
第三に、
バイトの内容としては、スピーカーから流れる声に対して、ただはっきりとした威厳を持った口調で返答するということ。
そしてその返答については、後ほど伝えるということ。
30分くらい経った頃だろうか。
車が停車し、ガラリと右側のドアが開かれると、
「それでは、降りてください」という寺地の声。
俺は言われる通り、車から降りる。
後は寺地に手を繋がれながら歩き出した。
途中何度かドアが開く音がし、最後は寺地に誘導されながら、階段らしきところを降りていくと、
再びドアが開く音がして、ガタンと閉められ、鍵を掛ける音がした。
しばらく、その場に立ち尽くしていると、
上の方から「それでは相原さん、マスクを外してください」という寺地の声がしたので、外した。
見るとそこは、コンクリートで囲まれた4帖ほどの狭い部屋で、パイプ椅子が一つ置いてあるだけだ。
天井の片隅に小さなスピーカーが一つ設置されている。
「それでは、相原さん、そこの椅子にお座りください。」
スピーカーから寺地の声がした。
俺は言われるままに、椅子に座る。
寺地の声が続く。
「先ほども申しましたとおり、あなたは今からスピーカーから発せられる声に対して、ただ一言答えるだけで結構です。
その言葉というのは、
『汝の心のままに』
あなたはそう大きな声で答えてください。
他の言葉は一切しゃべってはいけませんよ。
いいですか?」
本当の話なら事件だよね。
最後のニュース報道は無い方がより不気味で良かったな。
話に引き込まれた。けど後半、リアリティを出す為の報道だったのかもだけど、アナウンサーが現実では言わないような細かな事まで伝え過ぎてて逆にリアリティ欠如してしまったのが残念。。
途中までめちゃくちゃよかった。
ラストで一気に作り話感が増した
ネコジロウはねこが名字なんですか?
ね が名字なんですか?
↑
「ねこじろ」が名字で、
「う」が名前です(笑)
From ねこじろう
こんなバイト、やりたーい!