【猫婆事件】-事件記者 朽屋瑠子-
投稿者:kana (210)
「にゃーん」「にゃおん」
黒猫を抱く子供の腕が見える。黒猫がペロペロと顔を舐めてくる・・・。
朽屋瑠子は、黒猫の夢を見て目が覚めた。
懐かしさで少し目が潤む。小学生の頃に家で飼っていた黒猫だ。
「なんで今頃こんな夢を見るんだろな・・・」
・・・・・・
UFOとキャトルミューティレーション専門のオカルト雑誌
「月刊モー」編集部に、朽屋(クチヤ)瑠子(ルコ)という
フリーの事件記者が出入りしている。
女だてらにめっぽうオカルトに強く、日本中を飛び回っては、
今日も不思議な事件を追いかける。
そんな朽屋の元に、ひとつの依頼が舞い込んできた。
農村部の明るい情報を発信し続ける業界専門誌『パリピ農村』編集部に出入りする
同業者のO氏からだ。
「コメ農家を取材してるときにね、そこの娘さんが化け物を見たって噂があってね、
ちょっと聞いてるうちにホントにオカルトっぽい話になってきてね・・・。
オレ、怖いからこのネタ瑠子ちゃんに譲るよ。調べてみてちょ」
朽屋はO氏に、大田区にある町中華『○ルクロード』の絶品肉絲(ロースー)丼をおごることでこのネタをもらう事にした。
O氏によると、事件のあらましはこうだ。
①当時小学生だったK子ちゃん(12)が、遊び帰りにダンボール箱に入った捨て猫を発見。
親に拾う許可をもらうため急いで帰宅。夕食をとったのち、許可をもらって再び
捨て猫のところへ向かう。
②捨て猫のいた現場にもんぺ姿のお婆さんが先客としていたため、K子ちゃんは様子見を
していたのだが、こちらを振り向いたお婆さんが仔猫を食べていたため、驚いて絶叫。
その絶叫に警戒したのか、お婆さんはそのまま草むらに逃走。
心配になってダンボール内を確認するも仔猫は全滅。
草むらからさらにお婆さんの気配がしたので急いで逃げ帰る。
③K子ちゃんから話を聞いた父親が、懐中電灯を持ってパトロールに出たが
怪しいお婆さんは発見できずに終わる。
④K子ちゃんの話はここで終わるのだが、実は父親に聞くと心当たりがあるのだとか。
K子ちゃんを怖がらせないために父親は何もいなかったと嘘をついたのだが、実は・・・。
kamaです。先日投稿させていただいた「仔猫」というお話の後日談となりますので、合わせて読まれると楽しさ倍増かと思います。
またこの「朽屋瑠子」シリーズも今回で5作目となりますので、合わせて他の朽屋瑠子シリーズ、とくにケルベロスが登場する1作目を読まれると、世界観が広がって楽しめるかと思います。
朽屋瑠子シリーズは、自分で書いてて自分が一番楽しんでるかもしれません。
次回作もお楽しみに~
後日談待ってました!瑠子が見た猫の夢が仕事に繋がった所も不思議ですが、お茶目で可愛らしい一面が見られました。ケルベロスが従順になったのも猫好きの瑠子だからかな?ちゅーるのくだりがクスっと笑えました!
↑kamaです。ありがとうございました。
実はケルベロスはいろいろな伝説の中で、パンなどの食べ物をもらってごまかされることが多く、甘いもの好きとも言われています。チュールはおいしかったのかもしれませんね。
なんとびっくり、麗子の怪談恐怖箱さんで、この作品が朗読されてる!