段ボール
投稿者:神助 (16)
箱の底に、丁度スマートフォンくらいの大きさの木の箱が見えた。
「何だろ?これ?」そう言って箱を手にする。
箱には文字らしきものがぎっしりと書かれていた。
そこで奥さんはある事に気が付いた!「この箱ってもしかして!ちょっと開けてみて!」
箱を開ける息子さん。すると…
「やっぱり!!へその緒だわ!」と奥さん。
最近では産婦人科で渡される事はあまりないようですが、昔は木箱に入れられたへその緒を記念になんて事はよくある話でした。
けれど、一体誰のへその緒なのか?誰のものかも分からないへその緒なんて気味が悪い。
それにあの音の正体!更に不思議な事に“カリカリ”という音を発しそうなネズミや虫もいない。
「音は母さんの聞き間違いじゃないのか?」
納得できない奥さんでしたが、そう思わざる得ない状況でした。
その日の夜、この奇妙なへその緒をどう処分するべきか家族で話あったそうです。
「うちのじゃないんだからゴミに出していいだろう」
ご主人さんの意見に、ゴミに出すことに少し抵抗を感じつつもそうするより他はないかと思い始めたその時でした!
“カリカリカリ”あの音がする!音は間違いなく家族全員に聞こえていました。
黙り込む3人。お互い顔を見合わせる。
その間も音は聞こえ続ける…“カリカリカリカリ…”
最初に動いたのは息子さんでした。
リビングの出窓の上、そこにへその緒の箱がある。
この箱から聞こえるのは明白でした。
奥さんとご主人が注目する中箱に手を掛ける息子さん。
思い切って蓋を開ける、、、!
しかし、そこにはへその緒しかなかった。これは益々不可解だ!!
その後3人でどんなに探しても音の元となり得るような物はなかったそうだ。
そしてこれはゴミに出すのはまずいんじゃないかと言う話になり、どこか神社かお寺に相談しようという流れになった。
そして今日、そのへその緒が入った箱が忽然と消えたというのだ。
朝起きたら出窓に置いておいたあの箱がなかった。
家族の誰もが触っていないそうだ。
一体、あの箱はどこから来てどこへ行ったのか……。
未だに解明されていない。
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