【目的地】
投稿者:no54ヌューダ (1)
ポーン。目的地に、到着しました。運転、お疲れさまでした。
ナビから機械的な女性の声が流れる。
暗い車内でぼんやりと光るナビの画面を見る。ナビ上では、まだ進行ルートを示すピンクのラインが残っていた。そう、私たちはまだどこにも到着していないはずなのだ。
「え?え?いやいや、おかしいでしょ。さすがに。これがスーパーかって。ねえ?」
空回りするようなツッコミに誰も笑いはしないし、こういうときに一緒にツッコんでくれるサキも、返事をしてくれない。
シーンとした一瞬の間があって、
「……そうだよねえ!いやー、ナビさん冗談きつすぎ~!」
サキがようやくノッて来てくれた。
「もう一回、別ルートで行くように入力してみる~。ちょっと待っててねー。……よし、はい案内開始っと。ポチー!」
サキがあえて、逆方向に遠回りするようなルートを設定する。しかし……
ポーン。目的地に、到着しました。運転、お疲れさまでした。
「……なんで?」
「いやだ、ウチもう無理。ねえ、さっき寄ったコンビニまで戻ろう?明るいところに行きたいよ。こんな暗いとこほんとに無理」
さすがになーちゃんを怖がりと茶化すことはできなかった。
道は多分覚えているが、そこまで土地勘のない地域だったので、サキがナビを入れなおす。
ポーン。道案内を、開始します。
ナビは、先ほどとは違う道を提案してくれた。ちゃんと向こうへ戻る道だった。車内にあからさまな安堵感が広がる。
あぜ道をバックし、来た道を戻って、踏切を越えた。踏切を越えてすぐだった。
ポーン。およそ、200メートル先、右方向です。
いや、おかしい。
せめてもっと真っすぐ行ってから曲がらないとさっきの道に戻ってしまう。
サキはナビに従ってハンドルを切る。その後の案内にも素直に従った。
当然のように、先ほどの廃工場に着いてしまった。
それをもう一度繰り返して、ようやく私たちはナビを使うことをやめた。
とにかく覚えている道を戻って、さっきのコンビニへ戻ろう。ナビに集中したいからと切っていた音楽を掛け、車を走らせる。
見覚えのある風景に戻ってきた。かなり周囲はにぎやかになってきた。もう知らないスーパーなんてどうでもいい、ドライブなんてやってられるか、地元まで帰って、よく行くスーパーでさっさと買い物を済ませよう。
そうしてある種がむしゃらに運転していた時に、それは起こった。
ナビなんかつけていないのに、「目的地」とハッキリ声が聞こえたのだ。
まるで、案内を無視して走っていることに怒っているかのように。
「いや!何!?サキちゃん!?ビビらせようとか止めてよ!変なこと言わないで!」
「えっ、違う、違うよ!私じゃない、てか何言ってんの?変な事ってなに!」
こういうのが一番ありそうだから怖い
一人だったらパニックになって事故る。
そしたらs吐噶喇男の人が入ってきて…想像しただけで恐怖
誤字った外から男の人が
心配でしたらお祓いされたら気持ちが落ち着くと思います。