「うぅ、痛い・・・!」
「あぁ、ごめんごめん」
そのどす黒い口内炎でできた盛り上がりを見ていると、
なぜかだんだんムカついてきた。
さらに脱脂綿を押し当てて、膿を出す。
「うぅぅ、ひどい!ひどいよ!」
「オイA子少しうるさいぞ、だまってろ」
「え?先生、私なんにも言ってませんよ」
「はぁ?だって・・・」
「ひどいよ・・・マサキ君・・・」
「えっ、マサキって、オレの名前・・・!?」
よく見ると、人の顔のようになった患部が明らかにこっちを見て
血を吐きながらしゃべっている…。
「ひどいよ、マサキ君・・・もういじめないって言ってたじゃないか!」
一瞬にして頭から血の気が引く。
その口内炎の顔は、高校時代にいじめていた同級生にそっくりに見えた。
ずんぐりとした、色黒で、どんくさい彼の事を確かにいじめてはいたが、
当時はそれがクラスのネタみたいなもので、手っ取り早く笑いを取るのに最適な奴だった。
「み、みんなやってたじゃないか、オレだけじゃないよ・・・」
「でもマサキ君は、ボクが窓を掃除している時に後ろから突き落としたじゃないか」
「アレはちょっとふざけただけで・・・それに誰も見てない、誰も見てないじゃないか!
アレはただの事故ってことで片付いたはずだろ?」
「そんな嘘をついても、死んだボクだけは絶対に忘れないからね、マサキ君・・・」
A子が先生の不審な表情に気が付く。
「?・・・先生、どうしたんですか」
歯科医がおもむろにエアタービンのスイッチを入れ、A子の口の中に押し込む。
「A子君、これはダメだ、この患部はえぐりとらなきゃダメ!」
「なっ、なにを・・・!」
「だまってろ!動くな!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」





















kamaです。ちょうど今歯医者に通ってまして・・・自分で自分を追い込んでますね。
因果応報、天網恢恢疎にして漏らさず
という言葉はまさに言い得て妙ですね。
人面瘡の口内炎バージョンですか。
A子はなんも悪くないのに
なんか話がぶっとんでる
いわゆるガノタは「シミュラクラ」を「シュラク隊」、「フィナンシェ」を「シナンジュ」、「百武」を「百式」と読み間違えるそうな