口内炎 (加筆修正版)
投稿者:kana (210)
「うぅ、痛い・・・!」
「あぁ、ごめんごめん」
そのどす黒い口内炎でできた盛り上がりを見ていると、
なぜかだんだんムカついてきた。
さらに脱脂綿を押し当てて、膿を出す。
「うぅぅ、ひどい!ひどいよ!」
「オイA子少しうるさいぞ、だまってろ」
「え?先生、私なんにも言ってませんよ」
「はぁ?だって・・・」
「ひどいよ・・・マサキ君・・・」
「えっ、マサキって、オレの名前・・・!?」
よく見ると、人の顔のようになった患部が明らかにこっちを見て
血を吐きながらしゃべっている…。
「ひどいよ、マサキ君・・・もういじめないって言ってたじゃないか!」
一瞬にして頭から血の気が引く。
その口内炎の顔は、高校時代にいじめていた同級生にそっくりに見えた。
ずんぐりとした、色黒で、どんくさい彼の事を確かにいじめてはいたが、
当時はそれがクラスのネタみたいなもので、手っ取り早く笑いを取るのに最適な奴だった。
「み、みんなやってたじゃないか、オレだけじゃないよ・・・」
「でもマサキ君は、ボクが窓を掃除している時に後ろから突き落としたじゃないか」
「アレはちょっとふざけただけで・・・それに誰も見てない、誰も見てないじゃないか!
アレはただの事故ってことで片付いたはずだろ?」
「そんな嘘をついても、死んだボクだけは絶対に忘れないからね、マサキ君・・・」
A子が先生の不審な表情に気が付く。
「?・・・先生、どうしたんですか」
歯科医がおもむろにエアタービンのスイッチを入れ、A子の口の中に押し込む。
「A子君、これはダメだ、この患部はえぐりとらなきゃダメ!」
「なっ、なにを・・・!」
「だまってろ!動くな!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
kamaです。ちょうど今歯医者に通ってまして・・・自分で自分を追い込んでますね。
因果応報、天網恢恢疎にして漏らさず
という言葉はまさに言い得て妙ですね。
人面瘡の口内炎バージョンですか。
A子はなんも悪くないのに
なんか話がぶっとんでる