口内炎 (加筆修正版)
投稿者:kana (210)
とある歯医者さんの話。
その日もいつものように患者を治療し、最後の患者を見送って
医院をクローズしようとしていた時の事である。
一緒に働く衛生士のA子が「口内炎ができた」と言ってきた。
A子を一旦チェアに座らせ、口腔内をチェックすることにした。
「ははぁ~ん、これね」右のほほの内側に
白く小さな口内炎が出来ていた。
「じゃあ、電気代もったいないけど、レーザーで治すか」
「ひど~い」A子が軽く悪態をつく。
レーザーで炎症面を焼き、治療はすぐに終わってこの日はクローズドとした。
翌日、またクローズ準備中にA子が相談に来た。口内炎がまたできたみたいだと言う。
昨日と同じようにA子を座らせ診てみると、昨日治療したすぐ隣にもうひとつ口内炎が発生していた。
「なんだしつこいな」そう言って昨日と同じようにレーザー治療を施して帰らせた。
翌日は休診日で、一日置いて診療再開となったのだが、A子が朝から暗い顔をしている。
どうしたと聞くと、例の口内炎の調子が思わしくないという。
「どれ?ちょっと見せてみ」
A子を立たせたまま口を開けさせ、ちょっと覗いてみる。
「なんだこりゃ・・・?」
患部を見た瞬間、つい言葉が出た。
先に治療した二か所の焼け跡の下にもうひとつゆがんだ形で口内炎ができている。
治療した箇所が全体的に赤黒く炎症して膨らみ、まるで人の顔のようだ。
人間は三つの点が集まるとそれを顔と認識してしまうらしい。
いわゆるシミュラクラ現象とか、パレイドリア現象というやつだ。
「うわ、気持ち悪いな・・・」
「先生ひどい~」とA子が言う。
「じゃあちょっと、開院前にやっちゃおうか。A子君座って」
「は~い・・・」
患部にライトを当て、脱脂綿を使い患部を少し押してみると、
膿と血が混ざったようなものが患部からビュっと飛び出した。
まるで口から血を流すどす黒く醜い顔のようにも見える。
kamaです。ちょうど今歯医者に通ってまして・・・自分で自分を追い込んでますね。
因果応報、天網恢恢疎にして漏らさず
という言葉はまさに言い得て妙ですね。
人面瘡の口内炎バージョンですか。
A子はなんも悪くないのに
なんか話がぶっとんでる