叫ぶおっさん

Ｔ「あのおっさん、雨乞い師か何かだったんか

な？大雨降って興奮しとんじゃね？w」

俺も多少にやついたがＴのポジティブ脳天気さ

に苛ついていた為、笑いを押し殺した。

そうこうしてたら現場に到着。

案の定、雨の為作業中止。

用はトンボ帰りだ。

今更、このカスを攻めても仕方ないので運転を

交代し地元への帰路についた。

大雨の中、軽快に高速を作業車は走り地元を目

指す。

助手席で早々に眠りにつくチンカスを横目に車

を走らせていると遥か先の対向車線が騒がしい

のに気づく。

視界は良くないが警察の赤色灯が沢山光ってる

のはわかった。

その近くに差し掛かった時、大型トラックが横

転してたのが見えた。

雨だしスリップでもしたんかなって思った瞬

間、あの橋をくぐった事に気づく。

あの事故現場って傘のおっさんが居た橋の真下

じゃん。

まさかね…と思いながらも家路についた。

翌日からも相変わらずおにぎりを食べながら高

速を走っているがあの雨の日以来、おっさんを

見る事はなくなった。