悲しげな女の横顔

これは私が小学生だった頃の実体験です。
私は小さい頃によく幽霊が見えやすい体質でした。
その中でこれはとても印象に残っています。

それは普段通り夜寝てた時のことです。
夜中にふと目が覚めて、ふいにベランダ近くに取り込んだだけの山積みの洗濯物に目を向けました。

するとそこには女の人が座っていました。
お母さんでもなく、お姉ちゃんでもなく、服装も戦争中みたいな格好で悲しげにベランダの外を見ていました。

私も何かあるのかとベランダの方に目線を向けた後、

また女性を見たら、
女性は私の方を見ていました。

怖くなった私は、布団を頭まで被って考えないように目を閉じました。
いつの間にかそのまま寝てしまった私は、再び目を覚まして、恐る恐る洗濯物の方を見てみました。

すると、さっきの女の人はまだ私の方を見ていたのです。　
怖かったです。

そのあとどうしたのかは記憶が有りませんが、朝目が覚めた時には女の人を見たことは覚えていて、夜中に見た洗濯物もそのままありました。
家族もそこには居なかったと確認しました。

そこにはもう女の人は居ませんでしたが、何かを訴えてくるような眼差しだったのを20年経った現在も印象に残っています。睨まれていた様な気がします。