知らない友人が知り合いだった
投稿者:A (4)
「マジどきどきするわ…」
『別に話した感じ危ない奴には思えんかったけどなw』
俺はXに打ち込んだ文章を送信した後、Aと他愛の無い会話をして緊張を解していた。
すると僅か3分ちょいくらいでXからメッセージが返ってきた。
俺は通知に驚きながらも「あ、Xから返信」とAに伝えると、Aは『早っww怖いw』とはしゃいでいた。
Aが面白がってくれているのが今の俺の心の支えだ。
だが、Xの返信内容を見て俺は口を紡ぐ。
『え?もうバレた?wwwwwお前ん家行けるくらいは騙せると思ったのにwwwwくっそwww』
俺はすっかり縮こまった声でXの返信内容をそのままAに伝えると、Aは『やべえ奴だったな…w』と通話越しでも手に分かるくらいに引いてた。
てか、Xは俺を騙して何がしたいんだ。
俺の家に来て何かあるのか?
もしくは何かするつもりだったのか?
最早、大学で会ってたXとは別人のような文章を見て、俺は心底震え上がった。
そして、Xから殆ど間隔を空けずに次の文章が表示される。
『で、俺のことはマジで思い出せない?俺だよ、●●。小学校のとき一緒のクラスだった』
(え、小学校?)
そんな大昔の事はマジで覚えていない。
一緒に中学、高校へと進学した何人かは覚えていないこともないが、●●という名前の男の子は同じクラスにいたような、いなかったような、思い出せない。
そうやって記憶の引き出しを一つずつ開けていると、またXから通知が来た。
今度は写真が送られてきたが、それは小学校の何かの行事で撮ったであろうクラスの集合写真。
その写真には分かりやすく赤い丸で一人の男の子が囲われていた。
そして、続けてXから『それが俺、●●』と送られてきた。
俺はその写真の男の子に見覚えがあった。
というより、今の今まで忘れていたが、そのおかっぱ頭に近い卵頭の男の子は間違いなく小学校の頃のクラスメートだ。
だが、その男の子は確か五年生に上がる頃に転校してしまったと記憶している。
俺は「たしかその子、転校したと思う」と送ると、Xから『なんだ覚えてるじゃんwww良かったwwww』と返ってきた。
俺は文章に草を生やすXのテンションに引いていたけど、もしかして俺とXは小学校時代は結構仲が良かったのかもしれないと考え、Xは大学で俺を見かけて驚かす為に、謂わばサプライズでこんな事をしているのかと思い到り、ちょっと余裕が出てきた。
それで通話中のAに「なんか、俺とX、小学校時代の友達かもw」と明るく話すと、Aは『なんそれw』と笑ってくれた。
(なんだ、Xは俺を驚かす為に揶揄ってたのか)
そう思うが、それでも小学校時代の記憶は中々思い出せない。
X=●●という男の子という事までは分かったが、●●と遊んだ記憶が思い出せずにムズムズする。
自分のことより、先に謝った方が良いのでは?
いじめられた側はずっと忘れないものですから。
怖いけどモヤモヤしちゃうな
なんかの話で騙すって言って騙さないことって騙されないことになるんじゃねって言ってるのを見たわ
「された相手は騙されるのを恐れて勝手に自爆した」
〇秒後に意外な結末 ミノタウロスの青い迷宮 第45話