知らない友人が知り合いだった
投稿者:A (4)
自業自得なんだけどマジで怖い体験をした。
俺は陰キャばりに目元を隠した伸びきった髪をカットして、髪もほんの少し茶色に染めて大学デビューしたんだけど、そのお陰か大学ではゼミとか必修科目で一緒になった奴と仲良くなれて友達が出来た。
ああ、これで四年間ボッチは回避できたわー、とか喜んでた。
最初の友達が出来たら後は数珠繋ぎって程でもないけど、よく講義が重なってる奴とかも知り合いになっていって、気が付いたらプライベートでも遊びに行くような友達が三人出来てた。
この話にはあんまり関係ないけど、仮にその友達はA、B、Cにしとく。
で、A達といつものように構内で会ったら漫画とかアニメの話で盛り上がってたんだけど、急に今まで見たことない奴が話しかけてきた。
仮にそいつをXとする。
Xは教室の入口から全体を見渡すように中を覗いてたから、最初は誰か探してんのかな程度に思って、そこまで気に留めてなかったんだが、俺と目が合うとニヤリと口角あげてこっちに歩いて来たんだ。
(え、俺?誰あれ?)
って感じでちょっとキョドりつつも、俺はA達との話を離脱してこっちに近づいてくるXを見てた。
それでXは俺の側にやってくると「もしかして〇〇?△△高(←地元の高校)の」ってすげえ気さくに話しかけて来た。
Xは俺よりも上背がある陽キャよりの人相をした男なんだけど、間近で顔を見てもマジで知らない人だったから「へ?」って素っ頓狂な声が漏れた。
「誰?高校の知り合い?」
「俺、B.よろしく」
「俺もよろしくー」
困惑している俺を余所に、何故かコミュ能力に長けたA達はXに挨拶して、Xも「俺、X。よろしくね」って笑顔で答えてた。
で、その時にXが名前を言ったんだけど、それでも高校にそんな奴居なかったから、ここで俺はコイツが誰かと勘違いしてるんじゃないかと思った。
「誰かと勘違いしてませんか?俺、会ったことないんですけど…」
俺がそういうとさっきまで笑顔だったA達は「え?」と真顔になってXを見た。
だが、Xは怯むことなく「いや、俺だって。あんま話したことないけどX(フルネーム)だって。マジで覚えてないの?ひでー」と言ってきた。
Xの返しにA達も「おまえそりゃ可哀相だろー」とか言ってXと一緒に俺を煽り始める。
(いや、でもマジで同じ学年にもXなんて奴居なかったと思うが…)と、俺は必死に記憶を遡るが、どうしても思い出せなかった。
というか、Xは結構顔立ちもいいし背も高いから、例え別クラスでも学校ですれ違えば印象に残るだろうし、話した事あるなら尚更覚えている筈だと思い少し怖くなった。
そしたらXが「マジで覚えてねえの?」とか言いながらスマホを取り出す。
当時のiPhoneの最新機種だったからちょっと羨ましかったが、Xは一枚の画像を表示させて、俺達によく見えるように机の上に置いた。
そこに写っていたのは、恐らく俺が高校3年の時の文化祭の打ち上げで食べ放題の店に行った時のものだった。
確か他クラスと予約した店が被ったから合同になったんだっけ、と思い返しながら、随分と多くの生徒が写り込んだ集合写真を見つめる。
長テーブルを囲むようについ数か月前まで着ていた学生服に袖を通した学生たちがカメラ目線で各々好きなポーズをとっていた。
勿論、俺は陰キャよりだから端の方で埋もれるようにして俯き加減に写ってた。
「おまえ地味ww」
自分のことより、先に謝った方が良いのでは?
いじめられた側はずっと忘れないものですから。
怖いけどモヤモヤしちゃうな
なんかの話で騙すって言って騙さないことって騙されないことになるんじゃねって言ってるのを見たわ
「された相手は騙されるのを恐れて勝手に自爆した」
〇秒後に意外な結末 ミノタウロスの青い迷宮 第45話