知らない友人が知り合いだった
投稿者:A (4)
そうやって気楽に構えていると、俺は再び恐怖に落とし込まれた。
『じゃあ、お前が俺をいじめたことも思い出したか?』
「え…」
『俺はまだ覚えてる。マジで死にたかったし、お前のせいで親ともうまくいってない。まあ、でもお前も思い出してくれてよかったわ』
こいつは何を言ってるんだろうと思った。
俺がイジメ?しかも相当に恨まれるくらいの加害者?
俺がそんな事をするわけが……。
そう思った瞬間、俺は目の前の画面に映る●●の写真を見て、断片的な記憶が蘇ってきた。
俺は、●●をいじめていた。
最初は運動音痴な●●をからかって小突いたり馬鹿にしたり、当時はやってた膝カックンしたりしていた。
それが筆記用具とか物を隠すようになり、いつしかノートに落書きするようになり、誹謗中傷の内容を綴るようになった。
トイレの個室に入った時には「うんこ野郎」とか言って馬鹿にした。
水泳の授業の時は下着を隠した。
一つを思い出すと、次から次へと記憶が蘇った。
だが、どれも俺一人でやっていた訳じゃない。
俺だけじゃないはずだ。
でも、俺は確かに●●をいじめていた。
『まあバレたならしょうがないけど、四年間よろしくなwwwwwww』
目の前の文章を黙読する。
Xの異様なテンションは全て俺のせいだったのだ。
俺は先ほどから頻りに『おーい、〇〇ー、返事しろー』と呼びかけるAを無視するように頭を抱えた。
結局、Xは俺に近づいた目的も、俺に何をするつもりなのかも、明確に教えてくれなかった。
そしてXは、ただ『よろしく』とだけ俺に伝えると、ラインのトークから退出した。
当然、俺は通話中のAに「実はXは俺が小学校の時に虐めていた奴でしたw」なんて言える筈も無く、
「ごめん、明日話す」
とだけ伝えて通話を切った。
その晩、俺は明日にはXがA達に全てを話すかもしれないと考えて満足に眠れなかった。
俺が元いじめっ子だと知れば、A達も俺に塩対応になるだろう。
せっかくできた友達も疎遠になる。
大学のゼミ仲間にもきっと知れ渡る。
俺は蔑まれてこれから四年間ぼっちになるかもしれない。
自分のことより、先に謝った方が良いのでは?
いじめられた側はずっと忘れないものですから。
怖いけどモヤモヤしちゃうな
なんかの話で騙すって言って騙さないことって騙されないことになるんじゃねって言ってるのを見たわ
「された相手は騙されるのを恐れて勝手に自爆した」
〇秒後に意外な結末 ミノタウロスの青い迷宮 第45話