勘が鋭い従姉妹
投稿者:take (96)
従姉妹から聞いた話です。
大学生の時、友人が運転免許を取ったので、
女友達4人でドライブに行こうということになりました。
当日、朝目覚めた従姉妹はベッドの中で、
なんとなく『行きたくないなあ』と思ったそうです。
しかしドタキャンするのは友人たちに悪いし、とベッドを出ようとしました。
「えッ?」
ガクン、と前のめりで膝をつきました。
普通なら膝を曲げた状態で、床に足裏がつくのに、
ベッドから床がやけに高く感じられたのです。
寝ぼけていたのかと思い、立ち上がりました。
顔を洗いに行こうと部屋のドアを開けようとしました。
「あれ?」
ドアが開きません、もちろん鍵などかかっていません。
力を入れると、ギ、ギ、と軋んで、
擦れるような音を立てて開きました。
歪んでいるというか建て付けが悪くなっているようでした。
しかし、昨夜までなんともなかったのです。
従姉妹は幼い頃から勘が鋭かったのです。
そして、こういう『悪い予感』は必ず当たります。
今日は出かけない方がいいかもしれない、いや、みんなも車に乗るのをやめた方が……。
友人に電話して『今日はやめようよ、危ないよ』と言いましたが、
『何おかしなこと言ってるの』と、笑って相手にしてくれません。
従姉妹は何度も翻意させようと試みたのですが、
しまいには『じゃあ、もう来なくていいよ』と、友人は腹を立ててしまったようでした。
結果として、従姉妹の予感は当たりました。
友人が運転する車が、事故を起こしたのです。
幸い命に別状はなかったものの、
全員、骨折や打撲といった重軽傷を負ったそうです。
「従姉妹ちゃんの言うことを聞いとけば良かったよ」と、
友人たちは見舞いに行った従姉妹に、涙を流して謝ったそうです。
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