日本刀
投稿者:リュウゼツラン (24)
短編
2023/02/01
12:17
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そして左足に激痛が走り、私は悲鳴を上げ座り込む。
手探りで痛みの強い足先を触ると、ヌルヌルとした感触が。臭いでも分かった。これは血だ。
そして見えなくても分かった。左足の小指がなくなっている。
私は半狂乱になりながら、ドアを叩き続ける。
私の左足は痛みが増していく。傷もどんどん増えていく。
もう立っていられなくなった私はその場に座り込んでしまう。
もう無理だ。私はここでこの刀に殺されるんだ。
そう諦めたタイミングでドアが開かれる。
おばあちゃんだった。
「ごめんね」
遅くなったことを詫びたおばあちゃんは、血だらけの私の足を見て、私以上の悲鳴を上げた。
そして救急車で病院へ。
すぐに止血され、命にも足の機能にも大きな影響はなさそうとのことだったけれど、切り落とされた左足の小指はどこにも見つからず、私は小指を失ったまま生きることを余儀なくされる。
そして、「倉庫に閉じ込められた私が暴れた結果、足元にあった刀を誤って踏んでしまった」という話で結論付けられ、あの刀はそのまま倉庫で保管されることになった。
それ以来、私はおじいちゃんの家に一度も行っていない。
その刀がどうなったのかも知らない。
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おねしょ如きで蔵に閉じこめるという行為が、常識を逸脱と言うか、刀に取り憑かれていたのはお爺様だったのでは?という懸念
小指を切り落とされて機能に問題が無いというのは無理があるのでは?
刃を潰してない刀は、銃刀法違反ではないのかな。と1人想う午後であった。