アゲハ蝶「もう~蜘蛛さんったら、優しい。うふふ」
朽屋「オーイ!おまえら拳銃つきつけられてんの忘れんなよぉぉぉ」
二人「ハイすいません」
なんかイチャつき出したのでムカついてきた朽屋瑠子である。
朽屋「でも、前回のあのバス事故はなんだったの?殺すつもりだったんじゃないの?」
クモ男「この状況だ、しゃべってもかまわんだろう」アゲハ蝶もコクっとうなずいて同意する。
クモ男「彼には殺害指令が出ている」
朽屋「誰から?・・・またなんで今頃になって?」
クモ男「彼には、もうじき子供が授かる。あのいつも一緒にいる女が子供を宿している」
アゲハ蝶「私たちの王はそれがお気に召さなかったらしいわ。虫は殺しておいて、自分は子孫を残すのかって」
クモ男「だからあのバス事故は運命づけられたのだが・・・」
アゲハ蝶「私たち、なんとかして助けられないかなって、一芝居打ったわけ」
朽屋「それで、不気味な手品を披露して、彼を怖がらせたの?・・・その、背中から切り開いて・・・」
アゲハ蝶「私、サナギの背中を割って羽化した経験ありますから、それ人間の姿でやったら驚くかなって」
朽屋「キミの発案なのかい!かわいい顔して。よりによってそんな大きなお胸で」
アゲハ蝶「ハイ!この姿は、銀座でアゲハって呼ばれてる女の子を見つけて、それでそのお姿を拝借して・・・」
朽屋「それ、夜の蝶だから!!」
アゲハ蝶「??(゚д゚)ポカーン」
クモ男「・・・で、それで作戦は失敗ってことにして、やり過ごそうと思ったんだけど、
どうやら王に見透かされたみたいでね。もう一度ヤレと言われて、今回仕方なくヤルしかないかなって。だから、キミが止めてくれるんなら、それはそれで理由が立つ」
アゲハ蝶「そうね。それもいいかもね。その銃で私たちを撃ってください。そうすれば彼も助かるし、王にも負けましたって言い訳できるし」
朽屋「いや、撃ちずれぇ~~。さすがにそれは無理が・・・
とりあえず、キミら連行するから次の駅で降りて」
その時、突然強い重力波、圧力とともに紫色に光る何かが車内後方に現れた。
一瞬にして先ほどまでとは違う空間が広がる。
室内が固有結界で隔離される。
そして、紫色の光の中から、真っ黒で巨大なハエの頭がヌゥッと顔を出してきた。
その周りを髑髏の顔をしたおぞましい霊魂がいくつも飛び交っている。
重低音が、心臓の鼓動のように空間に響き渡る。
朽屋はその圧だけで、今にも吹き飛ばされそうになっていた。
「き、貴様・・・ベールゼブブ!!」
新年あけましておめでとうございます。kamaです。
こちらの作品を読む前に、前日譚として私の作品、
「恐怖! 地獄極楽夜行バス」を御一読されると、より作品が楽しめるかと思います。
また前作「事件記者 朽屋瑠子」も併せてお読みいただくと、より世界観が広がって楽しめるかと思います。よろしくお願いします。
元日早々に第二段投稿するとは早い。
クッチャルコ〜〜〜