親戚の別荘
投稿者:二葉 (2)
しかし最初に寒いと言った友人は、部屋の隅で充電していたスマホの電源を入れ、何かを調べ始めました。
そして、何分か経った頃。
「ねぇ、2人とも」
「何?」
「どったの」
「…すごく怖い事、言っていい?」
「「ダメ」」
「じゃあ、言うね」
「話聞いてよ」
「………この家が建つ前、近所で大きな火事があったんだって。女性も子供もみんな巻き込まれたらしい…」
「は?」
「え」
「それでね、もしかしたらここ、この家…霊道になってるかもしれないの…」
「霊道?」
「霊道って、アレだよね。あの、アレ」
「そうアレ。霊が通る道」
「じ、冗談やめてよ。怖いってば」
「冗談じゃないって!」
と、友人はスマホを私たちに押し付けて来ました。
「…えっと、民家のガスコンロから出火…冬だったので、火がすぐに燃え広がり、大火事になってしまった…⁉︎」
「嘘、これマジのやつじゃん」
「もしかして、この火事で死んじゃった人が未だに成仏出来てない…とか?」
「ワンチャンあるくね?」
「あると思う。まだ実害はないけど、早いうちにここ出よう」
「うん」
これで実害がなければ、もしかすると『ただの気のせい』だったのかもしれません。
「ん…?ふあぁ…変な時間に起きちゃった」
次の日、私が起きたのは朝の5時。
二度寝しようともう一度布団に潜り込むと、何だか少し暑い気がしました。
「昨日は結構寒かったのに…」
と、そこで。
私は何だか焦げ臭いにおいを感じ、布団から飛び起きました。
その別荘での出来事を親戚に話したですか?
笑われてしまいました。
後日談になりますが、2年後、火の気のないその別荘で火事が発生したそうです。
と言っても、小火だったらしいのですが…