親戚の別荘
投稿者:二葉 (2)
その日の夜。
お菓子を食べながらおしゃべりしていると、突然ギギィ…と部屋のドアが開きました。
「どうしたんだろ、風かな?今日はいい天気だったのに」
「それはどうだろうね…幽霊の仕業だったりして」
「だーかーら、ここは事故物件じゃないってば!」
「はいはい、分かってるよ」
「もう…」
「…」
「あれ、どーしたの?」
「まさか幽霊にビビっちゃった?」
「違う…この部屋、何だか寒くない?」
「え?あぁ、さっきドアが開いたからかな」
その友人は冷え症らしく、もこもこのパジャマと靴下の上に、何枚か重ね着していました。
「違うの…何だろ、骨の方から冷たくなっていくって言うか…昨日はこんな事、なかったのに」
「えぇ…?でも寒いなら、暖房の設定温度上げとく?」
「そーしよ」
「ありがとう」
ドア問題は解決しましたが、今度は耳鳴りがし始めました。
(うげぇ、次は耳鳴りか。何かやな予感するな)
困っている間にも、耳鳴りはどんどん酷くなってきます。
「ねぇ、何か耳鳴りするんだけど」
「どんな風に?」
「どんな風にって…キィーン、とかの音が聞こえてくるんだけど」
「マ?」
「マ」
「ねぇ、ここヤバくない?」
「え…で、でも、二葉の話だと、ここは事故物件じゃないって…」
「うん。ここで死んだ人はいない…よ」
「だ、だよね!それに、耳鳴りがしたからって言っても霊がすぐ近くにいるとは限らないし」
「う、うん」
その別荘での出来事を親戚に話したですか?
笑われてしまいました。
後日談になりますが、2年後、火の気のないその別荘で火事が発生したそうです。
と言っても、小火だったらしいのですが…