翁の面
投稿者:N (13)
長編
2023/01/03
19:05
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Aの兄貴や両親も、その面に心当たりはなかったから不気味に思いながらもAの机の上にそのまま放置しているらしい。
「それAが納屋から拾ってきたやつです」
思わずCがそんなことを告げると、Aの兄貴は「納屋?」と聞き返してすぐに「あそこか」と閃いてた。
だが、同時に俺達は言い知れぬ悪寒を覚えた。
まさかあの翁の面がAを祟ったのか?なんてことを全員が考えても口にはしなかった。
そして、Aの兄貴が「あれは捨てたほうがいいな」と呟いてこの話は終わった。
その後、Aの一周忌だったか、全員でAの墓参りに行くとA一家と鉢合わせして久しぶりにAの兄貴と話し込んだ。
なんでもあの面は知り合いの伝手で神社に持って行って供養?してもらったらしい。
お焚き上げって言うのか知らないけど、曰く付きかもしれないから神社に任せたそうだ。
結局Aの自殺の理由は分からないままだったが、俺達とAの兄貴だけは今でもあの翁の面の祟りだと思っている。
それにしても、誰があんなものを納屋に置いて行ったのだろう。
皆もああいった場所に肝試しにいっても無暗に物を持ち帰らないで欲しい。
ただ、Aに関しては本当に自分で持ち帰ったのかも怪しいところだけど。
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翁の面を持ち帰りよう仕向けかもしれない。
翁の面っていう時点でもう怖い