事件記者 朽屋瑠子
投稿者:kana (210)
「和尚!和尚!しっかりしろ!ここから逃げるぞ!!」
「うっ・・・あぁ、いったい何が・・・」
状況を掴めていない和尚の手を引き、走らせるリーダー。
講堂の中も外も血の海になっていることに驚愕する和尚。
二人の足が一瞬止まる。
その時バラバラバラと、ヘリが近づいてくるような音が聞こえ、二人は上空を見る。
建物のライティングにうっすらと姿を見せる黒い航空機が、しずかに降下しはじめている。
「ありゃあ・・・ニュースで見たことあるぞ、オスプレイだかメスプレイだか言うやつだ」
リーダーが見た機体は真っ黒で、確かにオスプレイとよく似た機体だ。
素人目には尾翼がVの字型をしているなどの違いがあるのはまったく関係のない話である。
その機体はどうやらここへ着陸しようとしているようだ。
「なんかヤバいのが来たよ、早く逃げよう和尚!あっちにクルマあるから!」
「承知した」
ジムニーまで走るふたり。
「和尚、助手席に乗れ」
そう言って運転席に回るリーダー。
ライフルを持ったままこっくりしている朽屋をそのまま抱きかかえると、後ろの席に放り込んでシートベルトでガッチリ固定した。リーダーが運転席に座り、エンジンスタート!アクセル全開でその場を逃げ出した。
「あわわわ、リーダー、もう大丈夫ですから、あわてず運転してください。
事故をおこしたら元も子もない」
和尚にそう言われてやっと落ち着くリーダー。どうやら誰も追ってこないようだ。
「それにしても・・・朽屋さんはなぜ銃なんかもってるんですか?」
和尚の質問にチラっとルームミラーを覗くリーダー。
「わからん・・・なんだこの子は・・・ただもんじゃねぇことは確かだ」
リーダーは先ほどの教会内の様子を思い出しながら身震いしていた。
(あんな状況の中で、たった3発であの化け物を仕留めやがった・・・ナニもんなんだ・・・)
・・・・・・
翌朝。鳥の鳴き声と陽の光の中で朽屋は目覚めた。楽府翁寺の宿坊である。
まどろみながら目覚めた朽屋は、自分が朝まで寝ていたことにやっと気が付いた。
「いっけなーーーい!!」
「おはようございます。お目覚めですか朽屋様。朝げの用意ができておりますよ」
若い僧が朽屋に声を掛ける。
kamaです。
こちらのお話を読む前に、私の投稿した「狩り宿の男」と「狩りの真実」をお読みになられると、前日譚としてより作品が楽しく読めると思います。
よろしくお願いします。
kamaです。
主人公の朽屋瑠子の声は、にじさんじのVtuber、レイン・パターソンさんの声をイメージしながら書きました。
前日譚とどちらも読ませていただきました!
とても読んでいて夢中になれる文章で素敵でした…..!
描写が細かくて、情景がわかりやすく脳裏に浮かんできて読みやすかったです!
続きも楽しみにしてます、!
↑kamaです。たくさん読んでいただいてありがとうございます。感謝!!
次回の予定は来年ですか?
↑kamaです。
次回作は来年になりそうですね。
他にも投稿しておきたい作品がたくさんありますので、次回のクッチャルコはお正月休みにじっくり書きたいと思います。
そう言えば確か以前に猪にまつわる話を投稿されましたが「殺生石」の周りで猪の死骸が発見したみたいだな。
↑なんだか意味深ですね。
おちゃらけて始まったから笑える話かなと思ったら
途中「スゴイ!お姉ちゃんもスゴイ!人間ってスゴイんだね!人間大好き!!」って子犬のセリフで
(´;ω;`)ブワッ ってなった。
↑kamaです。ありがとうございます。犬好きな人にはかわいそうなシーンもあり、申し訳ないです。
kamaです。
19ページ目にあった
「実は朽屋が寝てしまったあとにリーダーがあれこれいじりまわして遊んでいたらしい。」
という文章は、リーダーが朽屋の体をいじってるようにも読めてセンシティブでしたので、
「実は朽屋が眠っている間にリーダーがこのライフルをいじりまわして遊んでいたらしい。」
に変更させていただきました。
投稿後にも変更できるのが奇々怪々さんのいいところですね。
一昔前のSSをみたいで読みやすくて面白いです。クッチャルコはそのうち「キミたち〜!」とか言い始めるんですか?w
↑kamaです。どこかでいれますかw
獣医の犬の話しとか犬系多いですね
犬飼ってるんですか?
↑kamaです。
今は飼ってませんが犬も猫も鳥もハムスターも飼ってたことがあります。