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心霊

urchinさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

降りない乗客
短編 2022/12/17 02:11 879view

これは、私が先月体験した少し怖い話です。

その日私は自分の趣味である、競馬のかえりでした。
場外馬券場からの最終のバスは人も少なく、空の色も雪曇りのとても寒い日でしたから、私はバスに乗り込むとすぐうつらうつらとし始めた、そんな時でした
“”ピンポン”と誰か降車ボタンを押したのです。
その音にはっと目が覚めてみると、そこは人家もそこから電車などの交通機関のない、防波堤の向こうに海がみえるだけの場所でした。
こんなところで降りる人なんているんだと思いながら観てましたが、バスのドアが開いても誰も降りません。

不審に思いましたが、そのままバスは出発。そして、またすぐいくとまた降車ボタンが”ピンポン”。しかし、そこも何もない所でした。
それで誰かのいたずらかと思いましたが、乗客は通路を挟んだとこに座って携帯いじってる客と、その真後ろに座っている人だけで、ボタンなどおしてはいません。で、運転手も怒りもしないでまるでなれているかのように運転を続けています。

おかしいなと、ふと後ろの方を振り返ると一番後ろの席に高齢の男性が一人で座っていました。
あの人が悪戯で押したのかと思いましたが、そこで気が付きました。バスに乗り込むときは、私を含めて三人。そう、場外のあるとこがお客を乗せる最初の所だから、そこから乗ったのは三人。一番後ろの人を含めると四人に。しかしいつその人は乗り込んだんでしょう?

そして運転手も、周りのお客もその人に気が付いていないような……外は冬の寒いどんよりとした夕暮れ。背筋が寒くなる思いをしました。

後で知りましたが、そこの海は自殺する人や事故が多い場所だと知りました。なんらかの、霊が乗り込んだのか、運転手は慣れていたのか真相はわかりませんが、これが、私が外気の寒さより更に寒くなる体験をした話です。

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