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心霊

SaGo-goさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

祖父と床屋さん
短編 2022/12/04 12:40 686view

これは小さい頃、祖父に聞いた話です。
祖父がわかい頃によく通っていた床屋さんがあったそうです。その床屋さんは60代くらいのご夫婦が営んでいたそうで、祖父は旦那さんのほうに切ってもらっていたそうなんですが、奥さんとも良く顔を合わせていたそうです。

ある日もいつものように、髪を切ってもらうために家から20分ほどの道のりをバイクで走っていたそうです。しばらくして登り坂にさしかかったところ、目の前を見覚えのある女性が歩いていたそうです。祖父は追い越し様に振り返るとその女性が床屋の奥さんだということに気がついたそうです。
祖父は今日は旦那さんだけで営業してるのかと不思議に思いましたが、奥さんに軽く会釈をして床屋さんに向かったそうです。そして後少しで床屋に着くというところ、交差点で左折してきたトラックに危うく轢かれそうになったそうです。そして、床屋に5分ほど遅れて着くと、ちょうど、お店に何か張り紙をする旦那さんがいたそうです。
祖父は予約の時間に遅れたことを謝り、いつも通り髪を切ってもらおうとしました。そして、ふと、床屋の旦那さんが持っている張り紙に目をやり息を飲みました。
その張り紙には、奥さんが亡くなったので臨時休業するということが書かれていました。先ほど自分が追い越して会釈をした床屋の奥さんが実は病院で亡くなっていた、ということは、あれは確かに奥さんに見えたのに本当は違う人だったのか?と混乱したそうです。

のちに床屋の旦那さんにその事を話すと、子供のいなかった奥さんは祖父のことを息子のように思っていた、ということを教えてくれました。自分が姿を現すことで、事故にあいそうになる祖父のことを最期に助けたかったんじゃないか、と言っていました。

祖父はいまでも、最後に見かけた床屋の奥さんの顔を覚えてるそうです。

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