廃遊園地とやくざ
投稿者:イエティ (51)
近所のとある遊園地が閉演になった。
小さな観覧車としょぼい遊具があるだけの小規模な遊園地。
開園していたころに行ったことはないが、取り壊しもされず放置されており、
観覧車がさびまくってて不気味な雰囲気を醸し出してた。
地元では心霊スポットとして有名で、遠方から来る人もたくさんいた。
閉演になって数年、下手すりゃ十数年経ってたかな。
大学生になった俺は、都市部に一人暮らししてた。
ある日友人たちと家でゲームしてて、飽きて心霊スポットに行こうという話になった。
車で来ている友達がいたからそいつの車で行くことに。
車を持ってるビビりのS、おちゃらけ陽キャのK、平凡大学生の俺。
もう一人いたんだが、そいつは用事があって帰りやがった。
Sの軽自動車に乗り込み、さあどこへ行こうかと打ち合わせ。
有名な橋、トンネル、廃墟。
あるにはあるが、メジャーすぎてつまらん。
俺は地元に廃遊園地があることを思い出し、そこへ行くことになった。
1時間ほど車を飛ばし、無事に到着した俺たちは路肩に車を停め、
遊園地に足を踏み入れた。時刻は午前1時ごろ。
まさか人生最悪の日になるとはね。
遊園地は至って平凡。
錆びてる遊具が不気味なだけで、霊現象も何もなかった。
写真を撮ったけど心霊写真も撮れない。
びびりのSをビビらせて遊ぶくらいしか楽しいことはなかった。
帰ろうと思ったら、丘の上に事務所のような場所があるのを見つけた。
よく生かして返してくれたな
とだろ