生首を連れた男
投稿者:神助 (16)
それから毎日の様にIさんは作業をしながら何やらブツブツ喋っていた。
しかしその声の大きさは独り言レべルではない。
お客さんまでもが「あの人、独り言大きくない?」という始末。
その割には何故か、その『独り言』がなんて言ってるのかが分からないのである。
従業員の誰しもが、「声は大きいんだけど内容は分からない」と。
Iさんがきて数日たったある日の朝、事件は起きた。
出勤して来てトイレ掃除をしようと男子トイレに入る。
すると、個室トイレのドアが閉まっていてしかも鍵がかかっているのだ。
「何で?」このトイレのドアは開いている状態だと個室の内側にドアが開くタイプ。
閉めるには内側からドアを閉めて、更に鍵をかけなければいけない。
「まさか、中に誰か居る⁇」
私は急いで店長を呼びに行った!
「店長!大変、トイレの個室が閉まってる!誰か居るかも、、、」
「え⁇昨日帰る時見回りしたけど、絶対開いてたって」
私の声を聞いて店長は驚きながらもトイレに向かう!
私も後からついて行く。
店長は私の顔を見て「うわ、ホントだ。マジかぁ、、なんで?」と。
そしてとりあえずドアをノックしてみる事にした。
『コンコンッ』
開店前の紳士服店のトイレにノック音が鳴り響く、けれども返事はない。
「誰かいますかー?」
問いかけてみるもやはり返事はない。
「よし、俺登るよ」と店長。
「気を付けて下さいね」
そして意を決してトイレのドアをよじ登つた店長、その口から発せられた言葉は
「あ!誰もいない」
店長はそのまま中に入り鍵をあけた。
「一体どうやって閉まったんだろ??」
謎がなぞを呼ぶ。
トイレの個室の中は特に変わったところはなさそうだ。
どういう事情…